1部分:第一章
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だから彼はどんな怪物であろうとも倒せると思っていたのだ。
「お任せ下さい」
その逞しい胸をドンと叩いて言った。
「宜しいのですか?」
メロペーはおどおどとした様子で問うた。
「本当にそれで」
「構いません」
彼の声は強いままであった。
「私はオリオーンですよ」
「はあ」
その言葉が何よりの自信の証であった。
「例えどの様な怪物であろうとも敗れはしません」
「本当ですね?」
しつこいかな、と思ったがまた問わずにはいられなかった。メロペーはまた問うたのだった。
「どんな怪物でも」
「負ければ私は貴女を諦めましょう」
負ける時は死ぬ時だ、ならば諦める他ない、オリオーンの考えは非常に単純であった。
「そこまで仰るのなら」
メロペーはそこまで言うのなら、と彼に賭けてみることにした。
「まずは。父に話してみます」
「お願いします」
こうして彼はメロペーの父であるオイノピオン王と会うことになった。彼は祖父に酒の神ディオニュソスを持つ神の血を引く者であった。ディオニュソスはゼウスの息子であり、オリオーンの父ポセイドンはそのゼウスの兄弟である。だから彼等は遠い親戚同士であると言えた。もっともお互いそれを今までそれを意識したことはなく、今も意識することはないのであるが。オリオーンはただ純粋にメロペーを手に入れたくて彼の前に姿を現わしたのである。
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