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英雄は誰がために立つ
Life2 ケルベロス
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したのだろう。

 「士郎が直々に教えを受けた生徒達が震えながら漏らしていたらしいわ・・・!『俺はもう二度と赤点を取らない!』とか『思い出すなんてしたくないわ!』とかね」

 リアスの言葉を聞いている一誠は、だんだんと顔を青ざめていく。

 「止めは皆その日を境に性格――――いえ、人格が変貌したそうなのよ・・・。だから・・・だから・・・」

 涙ながらに語るリアスの言葉に悪寒を走らせる一誠だが、もう遅い。

 がしっ!

 「うぐっ!?」

 自分の頭を掴む人物を見やるとその人物――――いや、鬼は確かに言っていた。

 「に」「が」「さ」「ん」

 それを眼にした瞬間一誠は、潜在的恐怖を感じた。

 「助けて下さい、部長ぉーーー!!?嫌だぁあーーー!!?俺が俺じゃなくなるだなんて嫌だぁあーーー!!」

 助けを求めて喚きだす一誠。

 「失礼だな、人格が変わったのは確かに事実だが、長くても十日前後で治ったぞ?それに・・・」
 「そ、それに・・・?」

 涙目のまま恐る恐る聞き返す一誠。

 「廃人にも、パァアには成らない」
 (多分、恐らく・・・)
 「慰めになってねぇ―――!!?」

 そのまま士郎に掴まれながら部屋に引きずり込まれる一誠。
 その日、藤村邸では誰も一誠の姿を見た者はいなかったが、時折士郎の部屋から悲鳴が聞こえたそうな・・・。


 −Interlude−


 第一学期、期末試験初日。

 椿姫と士郎は共に来ていた。これも、同じ屋根の下で暮らすようになった恩恵だ。
 そこへ心配そうにリアスと朱乃が近づいてきた。

 「あ、あの士郎?イッセー・・・は?」
 「大丈夫だ、赤点回避どころか高得点を取らせるように仕込んだからな」
 「そ、そんな!?それではイッセー君は!」
 「お悔やみ申し上げます」

 椿姫の言葉に2人ともショックを受ける。
 この事が原因により、2人とも何時もよりも点数が低かったそうな・・・。


 −Interlude−


 同時刻、ゼノヴィアも教室に登校していた。
 そこにアーシアが恐る恐る近づいて来る。

 「あ、あのゼノヴィアさん?イッセーさん・・・は?」
 「ん?あー、イッセーならもうすぐ・・・」
 「皆さん、お早う御座います!!」
 「ほら、来たよ」

 廊下と教室の境目で元気良く挨拶する一誠・・・・・・・・・・・・?がいた。
 そこに居た人物はとても兵藤一誠とは見えなかった。
 お坊ちゃま風の髪形に何故か眼鏡、そして服装も何時ものだらしない格好の欠片も無く、ピシッとしていた。
 そんの一誠の姿に、クラスメイト達は誰もがそれぞれ戸惑っていた。
 しかし、当の本人は気にした様子も
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