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英雄は誰がために立つ
Life2 ケルベロス
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ル》のゼノヴィア達が各々の得物で果敢に切り結ぶように立ち向かって行た。

 「まだまだ」

 それらの攻撃を、堅実な防御により捌き上手く受け流す士郎。
 得物はまだ衛宮士郎だった頃に重宝していた、干将莫邪だ。
 つまり、今の状況は3対1で行われていた。
 因みに、ハラハラドキドキしながら観戦するギャスパー。

 テスト前日にも拘らず昼食後の息抜きとは言え、ずいぶんと余裕の3人――――と言うワケでは無いが、勉強だけでは煮詰まってくると考えたのと、以前からの椿姫と祐斗とゼノヴィア(3人)の希望に添おうと思い受けたのだった。
 とは言え、1人ずつではあまりに時間がかかり過ぎるので、3人同時に相手をすると言う事にしたようだ。
 しかし流石に3対1など舐められていると不満げな3人――――正確にはゼノヴィア1人だけだったが、士郎のある挑発的な発言により決行されていたのだ。

 『大丈夫、例え今のお前たち3人が連携を組んだ上で殺す気で来たとしても、掠り傷すら喰らわない自信が有るぞ』

 この言葉に腹を立てつつも、士郎との戦闘力が自分よりも遥か上に居る事は認識しているゼノヴィアだが、彼女とって兄であり、簡単には肩を並べぬ英雄であり、大好きな人でもある士郎から良い評価を貰えなかったと言う感情論を自制できていない故だった。

 その点で言えば椿姫は自制出来ている方だ。
 それよりも、自身の戦闘力の評価より、魅力ある異性()として見られたいので、その点を改善さえしてもらえれば良かったのだが、如何やらそちらもまだまだ望み薄の様で椿姫も不満であること自体は変わらなかった。ただ表情に出さないだけで。

 そして、祐斗は説明するまでも無く不満など一切なかった。
 現に祐斗自身は、士郎の毎朝熟している基礎トレにすらついていけなかった。
 この事だけでも、士郎が自分よりも遥か上の戦闘者として認識できるものだった。
 しかし、士郎から言わせれば『他もそうだが、祐斗は悪魔のポテンシャルに甘え過ぎて歩法を始めとする身体運用法が荒すぎるだけだろ?』との事だった。実際の所は如何かは知らないが。

 閑話休題。

 即席とは言え、その連携はかなりのモノ。
 スピードで敵を翻弄できる祐斗、パワーで敵を圧殺するゼノヴィア、テクニックで敵を苛立たせる椿姫。
 これが手練れとは言え人間なら敵う通りなど存在しはしないのだが、士郎はそれら全てを完封しつくす。

 「ハッ!」

 軽やかな動きで折結ぶような手数手責める椿姫。

 「ハァアアアアアア!」

 そのチャンスを逃すまいと、唐竹割りで圧殺しようとするゼノヴィア。

 (ここだ!)

 そんな2人の対応に、両手が塞がっただろうと判断した祐斗は、士郎の背後から横一文字切りで斬
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