Life2 ケルベロス
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の事は別です」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
「言うまでも無く、士郎君は女誑しです。そして私は見事に引っかかってしまったんですよ、会長。今の私はもう、士郎君無しで生きていける気がしません」
『つまりこれは、私に対する宣戦布告ですか?』
「はい、これだけは会長に譲る気はありません!」
『貴女の意思は判りました。この件については今日から完全に敵同士ですね』
譲るも何も、未だ士郎は誰の男でもないのだが、彼女達からすれば些細な問題のようだ。
「それでは会長、おやすみなさい」
『ええ、おやすみなさい。士郎君は一筋縄ではいかないでしょうが』
最後にそう言い残して電話が切られた。
「判っていますよ会長。誰よりも、廻りが悪いくらい鈍感な士郎君自身が強敵と言う事は・・・」
先程までの通話相手はもう、返さないのを理解していながら携帯に対して呟く。
「ッ・・・・・・・・・駄目ね、士郎君と同じ屋根の下に居ると思うと、気の高ぶりを抑えられない・・・。今日も自分でこの高ぶりを静めないと」
いつか、士郎に自分の高ぶりを静めて欲しいと夢見ながら寝床に転がりつつ、気を静める応急処置をする椿姫。
こうして今日も夜は更けていった。
因みに、夕食時のショックがあまりに強すぎたのか、それぞれ別の時間に破れかぶれで士郎の寝こみに夜這いを掛けようとしたゼノヴィアとイリヤは、当然の様に返り討ちに遭った。
−Interlude−
日曜日の早朝。
ゼノヴィアと祐斗は、士郎から貰ったトレーニングメニューに従ってランニングに出て行っていた。
ギャスパーは人見知り克服のため、藤村夫婦と朝食づくりの手伝いをしていた――――というより、ギャスパーを気に入ったアイリによって一方的に可愛がられていており、当人も克服のため我慢していた。
そして椿姫は、自分で組んでいる朝のトレーニングメニューを一通り終えて、離れの一つである道場に来ていた。
空気を切る物音に釣られて見に来ればそこには、士郎が二刀の短剣を流れるような動きで振るっていた。だがその動きは、攻勢には出ていなかった。
(士郎君が防戦一方だなんて、イメージ上の仮想敵は一体どれほどの使い手なのかしら?)
椿姫は、士郎が闘っている仮想敵が想像だけのモノでは無いと瞬時に理解できた。
そうでなければ、これほどの気迫が外野である自分にまで伝わってくるはずがないからだ。
そして激しい仮想敵との戦いの末、士郎は押し切られて負けた様だ。
「ふぅ・・・。それにしても、見てて楽しいのか?」
「!?何時から気づいてたんですか?」
士郎の後方から見ていた椿姫は、背中に眼でもついていたんじゃない
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