Life2 ケルベロス
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め込み作業中だったようだ。
しかし元はと言えば、一誠をはじめとするリアスと朱乃の3人が、グダグダな勉強姿勢を取っていた事が原因だったので、二度とこんな悲劇を起こさぬ様に固く戒めたそうだ。
−Interlude−
イギリス、某所。
7月のはじめのとある街角に、人の目を引く一人の少女が歩いていた。
髪型はシニヨンをメインに、赤ひもで金髪をまとめ上げていた。
格好は、清楚な服装とは程遠い腹部を晒したチューブトップに真っ赤なレザージャケットを羽織っている、美少女だ。
しかし格好だけでなく、とてもナンパしてゲットできるような雰囲気では無い。
気安く手を出せば、噛み千切られそうなワイルドなオーラを身に纏わせていた。
そんな彼女は、ある目的の人物を探す為に街を散策していた。
とは言え、知り合いからの情報で、目的の人物は元気で暮らしていると言う事も解っているので、見つからなければそれはそれで良いと言う、何とも彼女らしい。
そんな時、彼女の瞳に目的の人物を捉えた。
その人物は、顔に疵痕、剃刀のような目つきに、筋骨隆々な強面の男性だった。
そして彼の隣には、正直不釣り合いなほどの美人な女性がいた。これが所為美女と野獣カップルなのだろう。
そんな彼女と男性の手を片方づつ握っていたのは女の子だ。
信じがたい事だが家族なのだろう。
そんな奇跡の上で成り立っていそうな家族を見やりながら、虚空に向けて彼女は確かにこう言った。
「良かったな、マスター」
彼女の正体はとある英霊である。
生前の事は兎も角、ある平行世界で召喚された時の事を僅かに覚えていたのだ。
とある戦争のために呼び出された時、敵味方や状況などほとんど覚えていなかったのだが、共に戦場を駆けた召喚者との日々は覚えていた。そしてその祈りと、共に果てた事も。
別の平行世界とは違うので分かってはいたが、言わずにはいられなかった。
何せ、あの家族の中心位置にいる女の子の顔は、微かに記憶に残っている平行世界の彼の語った養子の女の子に似ていた。
それらを理解している上で彼女の呟いた言葉には、どの様な思いが込められていたのかは彼女自身にしか――――もしかすれば、彼女自身にすらも解らない。
そんな家族風景を見て満足したのか、踵を返して歩き出す。
そこに、レザージャケットのポケットから着信が鳴り響いたので取る。
「もしもし?士郎か?あー、解った。何時も通りにな」
その短い受け答えの後、彼女は電話を切り歩き出す。
彼女はこの地に降り、何をして何を残すのかは今だ誰にも解らない。
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