Life2 ケルベロス
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午後7時前、士郎は漸く帰宅した。
「ふー、ただいまー・・・・・・!?」
玄関から家に入るとそこには、エプロン姿の椿姫がまるで大黒柱たる家の長を労う恭しい妻の様に正座をして待っていた。
「お帰りなさいませ、士郎君」
「な、何を・・・・・・・・・してるんだ?」
「何って、旦那様のご帰宅を迎えるのは嫁の務めでしょう?」
何が可笑しいんですか?と、素で聞きたそうに首をひねる椿姫。f
「いやいや、おかし「士郎さん、帰って来てたんです・・・n」ゼノヴィア?」
士郎の帰宅時の声を呼び水に、玄関に急いできたゼノヴィアの眼前に移った光景は到底信じられるものでは無かった。
私の男が泥棒猫とNTRカウントダウン開始をしていると言う受け入れがたい光景だった――――と、ゼノヴィアは勝手な解釈と理解により、そう感じた。
「如何したんですか?ゼノヴィアさん」
そんなゼノヴィアの心情を察知したのかは不明だが、椿姫からゼノヴィアに声を掛けた。
それはまるで、先制攻撃のようだ。
「っ・・・・・・い、いえ、何でもありません。それより、夕食が出来ているそうなので、行きましょう。それと荷物お持ちしますよ、士郎さん」
それに対して、一瞬だけ唇を噛んだように悔しげな態度をするゼノヴィアだったが、この状況では不利と感じたのか腸が煮えくり返りそうな思いを押し殺した上で、士郎達を居間へと促す。
しかし、チャッカリと士郎の荷物を運ぶと言う行動は忘れない。
「ありがとうな、ゼノヴィア」
お礼を言われたゼノヴィアは僅かに頬を赤らめる。
それだけでも嬉しそうな顔をして、椿姫を見やる。まるでしてやったりなどと言った感じで。
しかし当の椿姫は平気そうだ。
そうして居間に付き、座るとそこには祐斗とギャスパーが居た。
「おっ、体大丈夫か?」
「は・・・・・・・・・はい、お世話掛けましてすいません。絶対に着いて行くなどと言う大言をはたいといて、士郎さんに此処まで運んでもらって」
士郎の気づかいに、詫びと礼で返す祐斗。
「まぁ、そこは仕方ない。男ってのは時に無茶をしたくなるもんさ。けどこのままじゃ同じことの繰り返しだからな、祐斗の体力は把握したからメニューを組んでおいたよ。明日からはそれで始めてくれ」
それをお礼を言いながら受け取る祐斗。
因みに祐斗は昼前には起きたらしい。
そんな彼らの前に女性陣が料理を運んできた。
なかなかの出来栄えだったので、実母が腕を上げたのかと思い褒めようとしたが、本人はそれを否定する。
「今晩の夕食は椿姫さんが作って下さったのよ!」
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