番外編043話 if 真・恋姫無双編 13話
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孫呉・董卓連合軍を押し戻し、その隙に撤退するという選択を取らざるを得なかった。
華琳の脳裏には一瞬だけ降伏という言葉も過ぎる。だが、それは自らの覇道の終焉を意味する以上、どうしても選ぶ事は出来ない。
「桂花、押し戻すのは左右両翼と考えてもいいわね?」
「はい。中央の華雄は劉備軍の注意を引きつけるのを目的としている為か、人数も多いです。それに背後には黄蓋隊もおり、援護も十分。それならば、機動力の高い左右両翼に攻撃を仕掛けている周泰隊、張遼隊の方が与しやすいかと」
「でしょうね。……他の軍は? こちらに協力できそうな動きをしている者はいるかしら?」
「……いえ。馬超と公孫賛の軍が騎馬を中心にしているだけに機動力が高いのですが……」
桂花の視線が向けられたのは、ジェネシス。正確にはその向こう側。
シ水関を攻める攻城戦という配置の関係上、騎兵が主力のその2つの軍は後方にいたのだ。
そうである以上、道が半ば封じられてはこちらに援軍として向かうのは無理だろうと。
そんな風に考えていた桂花は、素早くジェネシスの隙間から撤退していく部隊に目を止める。
列強として名高い劉表軍。特に霍峻という武将が仕えてからは、部隊の精強さに磨きが掛かった勢力だ。
機を見るに敏と言うべきか、落下してきた建造物の隙間から抜け出しており、既に軍勢の殆どが向こう側に消えているのが分かる。
(華琳様の覇道の邪魔になる候補の1人……さすがね)
一瞬だけでも男を褒めた自分に気が付き、慌てて頭を振る。
「現状はこのままの状態で対処するしかありません。ただ、向こうの方でも混乱が収まれば援軍を出す可能性も……」
「駄目よ。現状ではお互いに混乱するだけになる。あの落ちてきた奴さえなければ、他の軍と入れ替わる事も出来たんでしょうけど」
「そうですね。では、右翼には春蘭、秋蘭を。左翼には凪達3人を向かわせましょう。向こうの方が勢いはありますが、それでも武将の質ではこちらが上の筈」
「ええ、お願い」
桂花の言葉に頷き、指示を任せる。
その様子を見ながら、華琳の視線はジェネシスへと向かう。
……そう。悪友である麗羽がいた場所へと。
(麗羽、馬鹿な死に方をしたわね。……いえ、寧ろあの悪運の強さを考えれば、まだ生きているのかしら? ただ、どのみちここまでやってしまっては反董卓連合もおしまい。それを結成した麗羽も……そして袁家も)
本来であれば、反董卓連合が圧倒的な余勢を持って洛陽を押さえている董卓軍を一層する筈だった。そして、自分の名前もまた大陸全土に広がる筈だったのだ。
だが、その全てが駄目になってしまった。
そうなってしまった以上、今はどこまで自分達の被害を抑える事が出来るのかというのが全てだった。
一瞬そんな
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