精神の奥底
42 暴走する権力
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パの研究機関であったり、科学省、スポンサーだったI.P.Cやトリニティー・ブレイン社の手によって。でも制作チームの中は解散しなかった。研究名目を変えることでチームは存続し続けた」
「3年前…I.P.C、トリニティー・ブレイン?まさか…航空宇宙関連…とか?」
笹塚は幾つかのキーワードから1つの心当たりが出てきていた。
恐らく知らない者の方が世界中でも数は少ないであろう出来事が3年前にあった。
トリニティー・ブレインとI.P.Cは共に電子機器の開発、このネットナビなど意志を持つプログラムが空間の中で人間同様の生活が可能な程の高度で自由なインターネット時代を開拓した代表的企業だ。
そしてこの2つの企業でこの他に共通すること、それは飛行機を代表とする航空産業や通信用の人工衛星、シャトルなどの宇宙関連の事業が存在していることだ。
3年前のこの出来事の際もこの企業は共に大きくメディアに取り上げられた。
「正解よ、笹塚ちゃん。チームは宇宙ステーション開発チームの1つとして残った。確かに強力もしたし、メインシステムには我々の技術が多く採用されていたし、あながち間違いでもなかったけどね」
「そうか……『宇宙ステーションきずな失踪事件』」
シドウは頭はようやく気づく。
世界中を賑わせた宇宙ステーションの失踪事件だ。
その場にいた全員が凍る。
3年前に人類の期待を背負った『宇宙ステーションきずな』が何らかの事故に遭遇し、クルーの1名を除き、脱出用ポッドで避難したものの救出されるまでに餓死したり心神喪失状態となったという未だに原因不明とされる事件。
懸命な捜索にも関わらず、レーダーからも消失し、今となっては宇宙の何処を彷徨っているかは神のみぞ知ると言ってもいい。
そんな事件と今回の事件の裏では動くもの、先程までのプロジェクトとは違い、繋がりがまるで見えない。
だが不思議とヨイリーが真意を隠すためにデタラメを言っているようにも思えないのだ。
ヨイリーはリサの操作してノートPCを自分の方へ寄せた。
「そう、あの大事件よ。死亡者13名、行方不明者1名。肝心のステーションも行方不明ということになっているわ」
「なっている?じゃあ、見つかっていたんですか!?」
「本体は未だ行方不明、でもステーションの一部が宇宙を地球まで流れ着いていたのよ。このニホンの臨海部…ドリームアイランドの廃棄物集積場に」
「ドリームアイランド?あのゴミの山から緑あふれる花畑の公園になったっていう…」
「最近、人気のデートスポットじゃないっすか…」
ヨイリーはリサの解析したデータから説明のために使える資料をピックアップするとスクリーンに映し出す。
「残念ながらパーツと共に流れ着いたステーションのシステムの一部は別の機関が調査していたから、何故
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