精神の奥底
42 暴走する権力
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
手に渡れば喧嘩の道具に、社会人の手に渡れば出世の道具に早変わりだ。いや、そのくらいで済んだら良い方かもな」
「間違いなく争いの元になります。それにプロトタイプのマーキュリーに至っては人間だけじゃない、コピーロイドや猿でも理論上は使用可能という結果が出ている」
「なるほどな….で、この計画で今回の事件に一枚噛んでいるロックマンそっくりのこの電波人間は生まれた…」
シドウはトランサーで熱斗が手に入れた防犯カメラ映像を開く。
襲い掛かってくる大量のジャミンガーを圧倒的な戦力で倒していくスターダストの姿が映っていた。
スターダストの姿がはっきりと見えたところで一時停止してテーブルの上に置く。
納得しかけていたシドウと笹塚だったが、話には続きがあった。
「いえ、それはこの計画によるものではないようです」
「まだ続きがあんだよ」
「なに?」
「…….」
ヨイリーの態度は相変わらずだったが、僅かに表情が引きつったように見えた。
「この計画と『Project TC』、この間にもう1つ、プロジェクトが存在していた。そうだろ?ばあちゃん、いや、ヨイリー博士?」
「計画の名前は『Project Stardust』…」
「……….」
「そろそろご自分の口で話してもらえませんか?博士。これ以上、隠しても…それに私たちのことを信用できませんか?」
「ちゃんと情報が漏洩しないように一部のメンバー、それも履歴や能力からシステムとアカツキが導き出した人間の中でもこの4人だけがこの部屋に来ている。アカツキだけなら信頼できなくても、このシステムはアンタが作ったんだ。自分のシステムすらも信頼できないってのか?まぁ、笹塚が信頼できないってんなら分からんでもない」
「ちょっ!?オレ?」
「…いいでしょう。話しましょう。でも条件をつける。話を聞いたら私に協力して欲しい」
マヤとリサは一瞬顔を合わせる。
ようやくここ数日の努力が報われるような気がして肩から力が抜けていく。
「条件とは?」
「それは後で話すわ。いい?」
「分かりました」
シドウは頷き、急須からヨイリーの湯呑み茶碗にお茶を足す。
「あれは3年前、S.Sプロジェクトが終わってからしばらくした頃だった。総選挙を期に国内での兵器根絶を訴える言論が盛り上がった時期があったでしょう?」
「残念ながら、オレはその時期はニホンにいませんでしたが、ニュースで見たことはあります。今まで最低限の実力を保持するに留まらず、いつ始まるやしれない国際紛争に備えて軍事化を進めていたにも関わらず、政権が代わったことで一転。再び非武装の憲法に則った国に戻り始めていた頃ですね」
「それによって、完成していた7つのシステムはあらゆる場所に散らばり隠された。NAXAであったり、アメロッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ