おまけ10話『背中』
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う――
「……まだだぜハントぉ! ゼハハハ、所詮お前も俺……のっ――」
さっきくろひげさんからなんか弱点を言われたばっかりだろう。なのに、お前はもうそれを忘れてる。だからもう――
――しゃべるな。
「発破!」
俺の声と同時、6発分のそれが1度にまとまって、黒ひげの体内外を爆発させた。
「な゛っ!?」
黒ひげの体中から血がはじけた
「……ごれ゛……ら゛……ぢ……じょ゛」
黒ひげが意味不明な言葉を漏らして、体を震わせて……そのまま倒れた。
普通なら吹き飛ぶはずなのに、ただ倒れたことに少しだけ黒ひげの体力の底なし具体を見た気がしたけど……はっきり言って今の俺の目的はこいつじゃないからどうだっていい。
「……そ、そんな……船長が……っ海坊主てめ――」
「――火拳!」
「ぎゃああああ!」
また熱気が通り過ぎて、今度は悲鳴があがった。きっと戦場だから大砲が近くで爆発したんだろう。
「……本当は俺がやりたかったんだけどな、ハント……いや俺は一回負けたんだから文句は言えねぇか。やったなハント、これでサッチも少しは……ハント? ……おい!」
誰かの声が近くで響くけど、よく聞こえない。耳鳴りがひどいせいだ。きっと戦場だからまだみんな争ってるんだろう。聞き覚えのあるような、ないような……いや、そんなことはどうだっていい。
今はとにかくガープを倒さないと。
「……っ」
どこだ。
くそ、視界が白い。
誰がどこにいるかすらわからない。
がむしゃらにでも、見つかればそれでいい。
走り出そうとして「もう、いい……充分だぁ」誰かに肩を掴まれた。
「……っ」
誰だ? 邪魔をするな。
言おうとして声が出なかった。いや、別に話す必要なんかない。邪魔をするならぶん殴ればいい。
そう思って拳を固めて振り返れば、白い視界に傷だらけの大きな体が目に映った。
「?」
――白ひげさん?
顔は見えないけど、多分そう。
「親父! ハント!」
近くで聞こえてきた声……あぁ、エースだ。
なぜだか妙に焦ってる。
「……っ!?」
「……ぁ」
あれ。
「……! ……!!」
「…………」
耳元から聞こえるはずの二人の声が遠い。聞き取れない。
あぁ、くそ。なにしゃべってるのか全然わからない。
頭がいたい。
音がうるさい。
体中が悲鳴をあげてる。
右腕が痙攣しっぱなしだ。
足がまるで棒みたいにちゃんと動かない。
今にも倒れたい。
ルフィたちの船で笑いたい。
ナミのところへ帰りたい。
――格好いい人がいたんだ。
子供のころから憧れて。
ナミ以外の
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