おまけ9話『壁に潜んだ黒い影』
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声をかけ。
「見せてみぃ! 今のお前の力を!」
海軍の英雄ガープがハントの前へと降り立った。
一度負けた相手。絶対的な実力差を感じさせられた相手。相手は最強クラス。
けど、もう負けない。なぜなら俺だって強いから。誰よりも強いから。
……そうだよな、ナミ。
好きな人のことを思い浮かべれば、本当に少しだけど勇気が出る。
「……じじぃ」
後ろから聞こえてきたエースの声は不安げで、どこか複雑そう。
相手が強い、だからエースは俺が負けることが不安なのかもしれない。
相手はエースのじいちゃん、だからエースは家族のことを心配しているのかもしれない。
あるいは単純に、このまま逃げ切れるか、という不安をしているのかもしれない。
家族が敵という状況なんて俺には想像もできないから、エースの心境もわからない。
それでも――
「勝つ! 勝って全員無事に帰る! 絶対に!」
――俺のやることは変わらない。
白ひげさんやルフィのじいちゃん、もといガープは俺のことを新時代だとかなんだとか、よくわからないことを言っていた。きっと白ひげさんもガープも俺の何かを見ようとしてる。それが何かはわからないけど、そんなもの俺からすれば知ったことじゃない。
俺は俺のやりたいことをやり抜く。
俺の進みたい道を進む。
誰よりも自由に、誰よりも強く。
それがルフィと一緒にいて、学んだ俺なりの海賊だ。
それが将来海賊王になるルフィの仲間、海坊主ハントだ。
白ひげさんも、エースも死なせない。俺だって死なない。
絶対だ。
「……」
魚真柔術の構えをとって、一度目を閉じ、大きく深呼吸をして気合いを充実させる。
目を見開き、ガープを睨み付けて、全力で――
「海軍の英雄……ガープ! お前が……邪魔だああぁぁぁぁ!」
――吠える。
「かかってこんかぁ! 海坊主ハント!」
それが、俺とガープの決闘の合図。
一歩踏み込もうとして、それよりも先にガープが動いていた。
馬鹿みたいに一直線な動き。なのに、捉えきれないほどに速い。
その速度、その迫力。
英雄どころか、なるほど……たしかに海賊からしてみれば悪魔以外の何物でもないかもしれない。
単なる一直線の動きと、大きく振り下ろされる拳骨。普通ならこれほどカウンターを撃ち込みやすい動きなど存在しない。
けど……うん、これは無理。
相変わらずどころか前に戦った時よりも速いんじゃないだろうか。
「っ」
慌てて空気を掴み、掌握する。
ガープの拳が振り下ろされる。
これも、もはや馬鹿なんじゃないかと思うほどに鋭い。
ガープの腕をとらえることは、そ
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