おまけ8話『新たなる火が灯る日』
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に認められたら、撤退してくれるんですよね?」
「あぁ、約束してやる」
よし、言質もとった。
となればあとはもう行動あるのみ、だ。
「エー……っっ」
エースに声をかけようとして、ばっちりと目があった。
どうやら俺とエースの考えていることは同じらしい。
俺たちの力を見せつける。
だったら、うってつけの技がある。
一緒のことを思いついていた、ということに少しだけ笑いそうになったのを、なんとなく誤魔化したくなって声を張り上げる。
「いくぞ、エース!」
「しっかり制御しろよ、ハント!」
「お前もだよ!」
まだ俺が師匠のもとにいたころ、なんとなく遊びでやろうとしたことがあった、結局は完成しなかった俺たちの合体技。けれど、魚真空手と魚真柔術にまでたどり着けた今の俺にならできる。
「……ふぅー」
息を吐く。
目を閉じる。
心を落ち着かせて、力をため込む。
隣に一つ、エース。
背後に一つ、白ひげさん。
後方にはルフィや師匠、白ひげ海賊団の人たち。
前方にたくさん、海軍たち。
見聞色の覇気ではなく、もっとシンプル。単純に気配を感じる。
多分、数で勝ってる海軍側が強引に攻め込んでこないのは、白ひげさんがずっと気配だけで威嚇をしていたから。エースも増えて、警戒を強めていたから。
けど、それももう限界だ。きっと今にも俺たちに襲い掛かってくる。
時間はもう、あまりない、
「……おしっ!」
目を開き、多分は俺と同じように目を閉じていた集中していたであろうエースとともに、俺は……いや、俺たちは声をはりあげる。
「大炎戒!」
エースの周囲に炎が生まれる。
「魚真柔術!」
いつでも空気を掴めるようにと、手を宙へと伸ばす。
空気が震えて肌に伝わる。
それとほとんど同じタイミング。
「炎帝!」
エースの声とともに発生した巨大な炎の塊。まるで太陽と見間違えてしまいそうなほどのそれは、触れれば消し飛ばされそうなほどに熱気がこもっている。
エースと視線を合わせて、小さく頷く。
エースから炎帝が放たれた。
炎の塊のそれはこちらへと向かってきていた海軍たちを飲み込まんとして勢いよく飛び出す。あまりにも巨大で、あまりにも高速のそれは、一般海兵たちでは防ぐすべもなく、慌てたかのように青雉がその氷の能力で技を防ぐために前面へと出現した。
けど、甘い。
今から放つ技はエースだけの技じゃない。エースと俺の、二人の技だ。
「気心! 掌握!」
炎帝の周囲の空気を掴み、熱気ごと俺が掴んだ空気の中に全てを収める。
「っ」
炎帝に直接触れたわけじゃなくて、それを取り囲む大気を掴んだ
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