おまけ8話『新たなる火が灯る日』
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えて、思わず顔をあげてじっと見つめてしまう。
「……」
つい声を失ってしまった俺の代わりなのだろうか、と思えるぐらいのタイミングで、後方から声が。
「火拳!」
それはよく知る声で、よく知っている技だ。
ある程度の距離をとって、銃弾や砲弾を吐き出していた海兵たちの群れを、その砲撃ごとまとめて吹き飛ばし、ゆらりと揺れる陽炎となって俺や白ひげさんの前に、その男が現れた。
「エース!?」
もう船に乗って撤退を始めてるはずじゃ?
なんでお前がここに?
ルフィとか師匠とかは?
いろんな疑問が浮かんで、声をかけようと口を開く寸前に、先にエースの声が響く。
「俺もやるぜ、ハント! 今のオヤジの言葉は聞いていた! 確かにハント一人に任しきれねぇが、だったら俺がこいつのケツをふけば問題は解決だ! ……そうだろ、オヤジ!?」
いや『そうだろオヤジ』じゃねぇよ!
こいつ何言ってるんだよ、マジで!
「ばかかお前! むしろ海軍の最優先の標的だろお前は! そのお前がこんな殿に残るなんて無茶もいいところだ!」
「ハント……お前に無茶とか言われても説得力ねぇよ」
「っ」
確かに俺も今結構無茶してるよな……ってちょっと思ってしまって反撃に失敗。つい声を失ってしまった。
けどエースが無茶なことをしようとしてるのは間違いないわけで、だから白ひげさんがそれを認めないだろうって思ったら「グラララララ! だったら、見せてみやがれぇ。お前ら二人の……新時代の力をっ!」
って認めちゃったよ! マジで!?
というか新時代の力とか言われてもちょっとよくわからないんだけど。
何言ってるんですか!? って言おうとしたけど、その前にエースが親指をぐっとたてて「やるぞ、ハント! 俺たちならやれる!」と嬉しそうに言うもんだから、閉口してしまった。エース本人がやる気にあふれてて、白ひげさんの公認で……となったらもう俺から言えることなんかない。
「……はぁ」
溜息をついて、覚悟を決める、
こうなったら仕方がない……いや、むしろこうなってよかったかもしれない。
当然だけど、既に瀕死に近い白ひげさんも海軍に最優先に狙われてるエースも死なせるつもりはない。
だったら、瀕死の白ひげさんと殿をつとめるよりも、まだ体は元気なエースと殿をしたほうが余計な心配を考えないで済む……俺なんかが白ひげさんの心配すんなって師匠とかから怒られそうだけど。
ともかく、今の状況を整理する。
俺とエースがこの場で殿を務めるのに相応しい力を持っていると白ひげさんが認めてくれたら白ひげさんも白ひげ海賊団の面々と一緒に撤退してくれる。
今はそういう状況だ。
「……白ひげさん、俺とエースの力があなた
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