おまけ8話『新たなる火が灯る日』
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ランドでシェリーを撃たれた時。
俺がアーロンから村を救うことに8年かかって村のみんなやナミを傷つけてしまったことが大きくて、俺は何回も過剰反応をしてしまったことがあった。けれどその反応をしてしまったのは、きっと俺の血には命がけで俺を救ってくれた両親の血が流れてるからっていうこともあるんだ。
命を捨ててでも守ってくれた両親の血が自分に流れているということを心のどこかで誇りに思っていて、命を守ってくれた両親のことが今でも大好きで、だからこそ生んでくれた両親がいないことに対して、たまに寂しく思うこともあって。
要するに、当たり前だけど。
俺は誰かが死ぬということが嫌いなんだってそれを、思う。
誰かが死ぬ、なんてことが嫌いっていうのはそれは人として当然なんだけど、だからこそ思うんだ。
今のこの状況が全くもって納得できないって。
今のこの状況を自分の子供に命令して、死のうとしているその父親に納得できないって。
俺は本気で思ってる。
海軍最高戦力と称される3人の大将。
その一角が崩れた。しかも、それを為した人間は、まだルーキーといっても差支えない一海賊だ。
時代のうねりというものを感じ取った人間が、いったいどれだけいただろうか。映像電伝虫が映していた映像は世界を駆け巡り、それをさらに大きく震撼させていく。
そのうねりを生んだ張本人は、だが喧噪のなかでそっと目を閉じてゆっくりと呼吸を繰り返していた。
「おい、ハント逃げるぞ!」
「今のうちに行くぞ!」
「ハント! 何をしとるか!」
順に、ルフィ、エース、ジンベエ。
ハントの側にいた3人が声をかけるも、まるでそれら一切が聞こえていないかのように、ハントは反応を見せない。それどころか深呼吸を始めている始末だ。あくまでものんびりとして動こうとしないハントにしびれをきらしたエースが彼の腕をとって強引に連れ出そうとするも、ハントはその手を振り払った。
「……ハント!」
ついに苛立ちの声をあげたエースに、ハントはやっと反応した。
ただし、ルフィに対して、だ。
「ルフィ」
ルフィの体には本当に限界にきているらしく、ジンベエに背負われたままで、ハントへと首を向けることすら辛そうにして、ようやくハントへと顔を向ける。
「ハント……? お前ぇ」
ハントとルフィの付き合いは、ともに過ごした時間の短さには似合わないほどに濃密なそれだった。
だから、だろう。
ハントの表情でルフィは全てを理解した。
なぜハントはその場から動こうとしないのか。
エースの腕を拒否したのか。
そして、ハントが何をやろうとしているのか。
「っハント……なら俺もっ!」
それに、ハン
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