第4話
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黒い煙が発生する。
バサバサバサ…。
「ねぇ!さっきのでかいのあと一発だけ撃てる?沈めちゃおう…こいつら、あたし達で倒せる相手じゃないよ」
「わか…た…」
息を大きく吸う。
「大突波…跳躍声!!!!!」
無色の砲弾が海軍の船に音速で着弾した途端、船は耐えきれなくなったのか真っ二つに折れ、マストの根元が陥没する。
「撤退するよ!このままじゃ危ない!ヘイラとアテナを治療室に!帆を全て張って!バックヤードを引きなさい!舵は三時の方向!ほら!へばってると紙飛ばすわよ!」
自分の船に着いた途端、あたしの意識は泥沼に沈んでいった。ただ、最後に、大きな衝撃音が聞こえた…。
…………。
「ふ…ぅ…」
気付けば、あたしはベットの上に寝かされ、服も着替えさせられてた。それに腕には添え木、足にも添え木、包帯まみれになってた。横には未だに眠っているヘイラ。全身包帯まみれなのはまぁ、相手が剣士だったのが大きいんだろうな。
コートを羽織って扉の外に出る。
「やけに…静かだな…」
窓の外は真っ暗闇。夜みたいだ。
疼く足を庇うようにして甲板に出る。
「お頭?目を覚ましたんですかい?」
「ホルストか…。にしてもやけに静かじゃないか?」
「副船長がお頭と総隊長が起きるまでは、水の音一つたてるなってんで皆静かにしてたんすよ」
「そうか…。すまなかった。お前たちは大丈夫なのか?あと、セイラは?」
「俺たちは大丈夫ですぜ。1人もかけちゃぁいません。流石に本部海兵ってだけあって重症者は結構出やしたが。副船長は治療もせずにずっと甲板で修行してやすぜ」
修行?どういう事だ。
「そうか。まぁちっと行ってくるわ」
「…あまり刺激する事はお勧めしやせんぜ…。相当気が立ってるみてぇで」
「そうか」
手をヒラヒラとさせて了解の合図を送る。
コツ、コツ、コツ、コツ。
あまりの静かさに身震いしそうな船の甲板を歩いていると、ペラペラと音がする。セイラの紙が風になびく音。
「こんな真っ暗闇で何してんだよ。セイラ」
「…目が覚めたのね。アテナ」
「あぁ…何日寝てた…?」
「3日…今でもう4日目よ」
「寝たか?飯は食ったか?治療はしたか?」
「…………………」
「飯くって風呂入って治療して寝てこい。船も早々最大船速には出来ないだろうな。」
「…あたし達…勘違いしてたね」
「なんの話だ」
「あたし、1人で行った時、何もできなかった。あたし達、強いって感じてただけだった。」
「……だな。あたしも舐めてた。海軍なんて、って思ってたんだ。でも、関係なかった。あたしらが弱かったん
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