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転生とらぶる
番外編042話 if 真・恋姫無双編 12話
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 ギリッと奥歯を噛み締め、手に持った剣を強く握りしめる。

(落ち着け、落ち着け。ここは三國志じゃない。真・恋姫無双の世界なんだ。幸い、桃香の姿がある以上、白装束の奴等は出てこない筈)

 自らを落ち着かせるように呟くこの男、この世界に知識を持って転生してきた人物だったりする。
 当初は全く何が起きたのか分からなかったのだが、成長するに従ってここが三國志……正確には生前に遊んだ経験のある真・恋姫無双の世界だと知り、自分が霍峻に生まれ変わった事を知った。
 三國志系のゲームをプレイしていた前世を持つ男は、自分が万能型……より正確には器用貧乏に近い武将に生まれ変わった事に多少のショックは受けたが、その後は幼い頃から鍛え続け、10歳の時には山賊を倒す程の実力を身につけ、やがて成長して歴史通りに劉表の部下となる。
 孫堅が死んだり黄巾党の乱が起こったりと、その辺までは霍峻の知識通りに進んでいた。それが決定的なまでに代わったのは、黄巾党の乱が集結した後だ。
 本来であれば呉は袁術の部下として反董卓連合に参加する筈が、何故か反董卓連合が結成される前に袁術を追放、呉を復興させたのだ。
 何が起こったのかが全く理解出来なかったが、劉表の部下としてはそれなりに信頼も厚い為にその権限を使い呉に細作の類を放つ。しかしその細作も全てが思春や明命の手によって発見され、あるいは雪蓮の勘により露見し、処分されてしまった。
 結局は商人辺りからの情報を集めるしかなく、雪蓮達がアクセルの名前を極力表に出さないようにしていた事もあり、孫呉独立が早まったイレギュラーの要因は分からぬままに時は流れ……ある意味で予想外であり予想通りと言うべきか、袁術を追放した孫呉は反董卓連合軍ではなく董卓との同盟を結んだ。
 それを知った時の霍峻の内心は、何この無理ゲー状態だった。
 そもそも、呉は人数自体は少ないが人材の質は非常に高い。それは董卓軍も同様であり、その2つの勢力が手を結んだ以上、倒すのは難しいだろうと主君である劉表に反董卓連合軍に参加しない方がいいと告げもしたのだが、孫堅を殺したのが劉表の部下でもある黄祖の主君であるという理由もあって、孫家との因縁は深い。
 もしかして自分以外にも転生者がいるのか? そんな風に思った霍峻だったが……その嫌な予感がこれ以上ない形で的中していた。

(くそっ、ネギまの魔法とかって良くある転生特典だけど……俺にはそんなの何もないのに、これでどうしろってんだよ)

 そんな風に混乱している中、やがてグリフィンドラゴンが羽ばたきながら自分達の上空を飛んでいく。
 この時に幸いだったのは、劉表軍の配置は反董卓連合の中でも右端の方だった事だろう。
 シ水関に続く道の両端は高い崖がそびえ立っているが、その崖の近くに劉表軍はいたのだ。
 よって
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