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極短編集
短編53「秘密の生活」
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んでもない事してたんだな!」

 親父とお袋に見つかってしまった。

◇◇◇

「ずっと寒い中でいられるから大丈夫!」

 彼女が今やっている仕事は、冷凍庫の管理だった。
 親父とお袋に見つかったあと、お互いの親が話し合い、彼女の生活の事を考えた。事情を懇意にしている業者に話し、夏場はずっと、職場の冷凍庫で過ごせるようになった。巨大な冷凍庫の中には、彼女の部屋も作られた。そうそう、身体の動きが良くなくなると、雷に打たれに岬に行った。僕らはそうやって、毎日を過ごしていった。そして……

「おめでとう!!」

 結婚式も冷蔵庫の中で行った。

「病める時も健やかなる時も、この者を愛し……」

 賛美歌が、巨大冷凍庫中に響き渡った。みんなが祝福してくれる中、僕らは夫婦になった。そうして、さらに幸せな毎日が始まったのだった。

 でも……この所、不安がひとつ生まれた。

「ねえ、子どもが出来たみたい」

「やったね!」

 と、喜んだものの、もし子どもが生まれたら……



 それは、生きているのだろうか?死んでいるのだろうか?

おしまい



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