浄化
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反生命変化した遺伝子を取り込んでいる訳だから、時間が経てばアンデッド化してしまう。それと反乱を防ぐために、遠隔操作や時間経過で開封する麻薬の入ったカプセルが内蔵されている」
「酷い話や。まるで首輪……操るために植え付けられた、死を呼ぶ“種”やね」
「そうだな……それで俺は潜入任務の最中、成り行きでSEED使用者と戦闘を幾度か行ったのだが……その中に体格がはやてと同じくらいの少女がいて、心情的に放っておけなかったから保護する事にした」
「心情的に? ……何があったのですか、兄様?」
「その少女はある事件をきっかけにアレクトロ社に囚われてからずっと実験体として生き、栄養の摂取がままならなかったから成長も出来ず、実験の過程で声帯を失い、挙句の果てに時限式のSEEDを埋め込まれて、本意じゃない戦いに繰り出された」
「なんとむごい事を……!」
「その後も色々あったのだが、それは後で話す。とにかく俺はその子とリーゼ姉妹と共に脱出した訳なんだが……皆、心して聞いて欲しい。少女の命は……このままでは明日の夕方に失われる」
「な……!」
「理由はもうわかるだろうが、SEEDの麻薬が開封されるまでの制限時間がそのタイミングなんだ。だからただちに手術で摘出しなければならないのだが……彼女の立場上、手術を行ってくれる医者がいないんだ」
「ど、どういう事ですか!? 医者なら助けを求める人を分け隔てなく救うべきなのに……ましてや管理局に所属している者ならなおさら……!」
すずかが管理局の医者の心構えに苛立ちを隠せずに吐露する中、この中で唯一医者であるシャマルはなぜ次元世界の医者が皆断るのか、その理由を訝しんでいた。ヴォルケンリッターの面々とはやても理由を理解できずにいる。純粋なこいつらにとって残酷な真実を、伝えよう……。
「少女の名はマキナ・ソレノイド。闇の書の先代主が遺した娘だ」
『ッ!!!!』
「先代の……娘ですって!?」
納得がいったのと同時に、天地がひっくり返りかねない衝撃を受けたシャマルが呆然とその言葉を紡ぐ。この時俺は知らなかったが、つい先日はやて達は先代についての話をしていたため、その娘が生きていた事と、過酷な運命に翻弄されてしまっていた真実に想像以上の衝撃を受けていた。
やはりこいつらにはキツイ真実だったか……しかし、俺はここから彼女達に頼まねばならない。彼女を救うために、手術を行ってもらいたい事を、そのためには姿を管理局に晒す必要がある事を。
そう思って改めて言おうとした時、ふと気づいた。はやても、ザフィーラも、シグナムも、ヴィータも、シャマルも、そしてネロも……皆強い決意を秘めた様子で俺の眼を真摯に見つめてきていた。はやてが前に出て、進言してくる。
「先に謝っとくわ。ご
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