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リリなのinボクらの太陽サーガ
浄化
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る。潜入任務が終わった後も着る意味は無いからな。





そして……来た時と違い、帰りは行き先を設定して真っ直ぐ地球に向かったため、大して時間がかからずに地球に戻る事が出来た。ただ、“ムーンライト”の帰還場所は月村家の庭で設定していたのだが、その感覚のままラプラスもそこに降ろしてしまったのだ。大きさとかバイクと比べて明らかに全然違うのにな……。

「えぇっ!? な、なんかシャトルがうちの庭に降りてきたよ、お姉ちゃん!!?」

「すずか、聞いて。先週の木曜の事よ。私は車で家に帰る途中だった。家まであと2マイルほどの所……ふと目を上げると東の空にオレンジ色の光る物体が見えたの! とても不規則に動いていた……そして次の瞬間、あたり一面が強烈な光に包まれ―――気がつくと私は家に着いていたわ……。どう思う?」

「どうって……そんな発狂まがいの事を今話されても、どう返事すればいいの!?」

「わかった……もういいわ……」

「そもそもこのシャトルと全然関係ないよね、今の話!」

やはりというべきか、月村家がパニックを起こしていた。このまま放置しておくのも面白そうだが、事は急を要するため、さっさと外に出ることにした。
見たことのないシャトルからいきなり俺の姿が現れると、月村家は余計混乱…………はせず、むしろ『あ、やっぱり……』と逆に納得していた。

「お帰りなさい、サバタさん! でもシャトルに乗って来るとは予想外でした。私はてっきり、行った時と同じように“ムーンライト”で帰ってくるものだとばかり……」

「色々予定外の事情が積み重なってな……。それよりすずか、俺は用事を果たしたら、すぐに向こうへ戻らなければならない」

「そうなんですか?」

「ああ。向こうで心臓の近くに埋め込まれた……爆薬みたいなものを摘出する手術を行わないと、明日の夕方に命が尽きる少女がいる。シャマルなら手術が出来るから、急いで呼びに来たんだ」

「心臓の近くに爆薬って……! わかりました、シャマルさんって確かはやてちゃんの所にいる薄い金髪のお姉さんですよね? それならうちの車に乗ってください! 超特急でサバタさんを送り届けます! ノエル!!」

「仰せのままに。ではサバタ様、こちらへどうぞ」

「すまない……世話をかける」

すずかの計らいで、俺はノエルが運転する自動車に乗せてもらい、八神家へと爆走した。ちなみにすずかも一緒についてきたのだが、車内で何やら携帯電話を使ってどこかへ連絡していた。だがそれに耳を傾けている場合ではなく、俺は彼女達にどう説明したら良いものかとずっと悩んでいた。

「着きましたよ」

結局考えの整理がつかないまま、車は八神家の前に到着してしまった。こうなったら回りくどい事はせず、正直に伝えよう。
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