浄化
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ために大量のエナジーが必要なんだ。もし回復が間に合わず体力が力尽きたりしたら、すぐに救出して浄化を引き継がなければならない。イモータルの浄化は絶対に失敗する訳にはいかないんだ」
それにパイルドライブ中は、イモータルも自らの能力を駆使して必死に抵抗してくる。実力はわかっているが、それにフェイトがやられないという保証はないから、後ろに控えておきたい事をしっかり伝えると、彼女達も自分たちの事を思って言ってくれているから、強く反論できずにいた。だがそこにエレンが近寄ってきて、俺を彼女達から少し引き離すと優しくささやくように言ってきた。
「それなら大丈夫よ、サバタ。だって今、ここには私がいるのよ」
「エレン……いや、しかし」
「先代ひまわり娘の下で一時期修業したから、私もエナジーの使い方は熟知しているわよ? “エンチャント・ソル”も、ザジと同様に私だって使える。浄化のサポートなら十分務まるわ」
「………仕方ない、そこまで言うならエレン。フェイト達を頼むが……しくじるなよ」
「ふふ……はい、頼まれましたよ」
「……何がおかしい?」
「いや、悪い意味で笑ったんじゃないの。サバタって昔から心配性だなぁ、と思って微笑ましく思ったのよ。ザジの時だって、あなた、先代ひまわり娘に彼女を頼むみたいな事を改めて言ったんでしょ? 先代ひまわり娘からちょっとだけ教えてもらったわ」
「チッ……あの女、余計な事を余計な奴に易々と……!」
「まあ、そう邪険に言わないであげて。年寄りはどうしても子供が可愛くて構いたがるものなのよ。ザジの境遇も境遇だったから、ちょっかいに更に拍車がかかっていたみたいだし、それに……」
「同じ魔女だから、か。……それで結果的にアイツの心が救えたのなら構わないが、かと言ってエレンにバラす必要は無いだろう……」
「あら、私もサバタがいなくなって結構寂しかったのよ? 私だって繊細な女の子だから、仲の良い人と別れるのは辛いもの。それに当時はミズキの事もまだ完全には吹っ切れていなかった時期だから、余計にね……」
「…………」
そうだったな……エレンは親友を失ってすぐの頃に俺達の旅に合流したのだから、先代ひまわり娘の下に着いた時期でも、心の傷が鮮明に残っていて当然だった。それなのに理由があったとはいえ俺までもが去ってしまったから、エレンもトラウマが刺激されてしまったのかもしれない。
「悪かった……」
「謝る必要は無いわ。私だってサバタが去った理由はちゃんと納得していたし、イモータル相手にあの時の私達が適う訳が無かった。あなたは私達を守るために身を引いたのだと、私もザジもとっくの昔に理解してるわ」
「そうか……」
「……もしかして今も、誰かを守るために自分を酷使してたりは……
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