新四天王の作戦
エンジョイ夏休み
第28話
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「祖父は源吉で祖母は愛って言うの。それと、私の幼少の写真の曽祖父は寅曽祖母は初って言うのよ。」
「皆から源さん寅さんって呼ばれてててね。結構頼りにされていたんだよ。ラブちゃん、覚えていないのかい。おじいちゃんって、いつも源さんにくっ付いていたじゃないか。」
「そうだっけ。」
「そうだよ。あゆみさんもあの当時、寅さんにくっ付いていたんだよ。」
「まあっ。」
「その後、10年前に源さんが亡くなってから畳屋もやめちゃたんだよ。おばあちゃんも6年前に亡くなちゃったよ。」
「思い出したわ。私、ラブって名付けられたのは、お祖母ちゃんが愛と言う名前だったから。」
「なるほどね。」
「バブルの頃に戻りたいわ。」
「お母さんどうしたの。涙なんか流して。」
「無理もないよ。あの時代を過ぎてから景気が悪くなってしまったからね。」
「もう1度、良い時代を迎えてみんなで幸せゲットだよ。」
「ラブちゃん、うまいこと言うね。もう1度、高度成長期やバブル期のような皆が幸せに暮らせる時代が来ると良いわ。」
「うん。」
翌朝、赤塚公園内ドーナツカフェ
「いらっしゃい。今日もダンスの練習かい。」
「そう。モーニングドーナツセット3つね。」
「へい。」
しばらくして
「へいお待ち。」
「ありがとう。」
「パタパタ。」
シフォンは眠っている。
「タルト君、ドーナツおいしい。」
「ヘエ、おいしいでおまっ。」
「10年前か。あたしたちが7歳の頃ね。」
「その頃は、クローバータウンストーリートじゃなくて、四ツ葉町商店街って呼ばれたんだって。」
「ラブ、ラブ。」
「あっ、何。」
「どうしたの、ボーッとして。」
「夏バテ。」
「アハハハハハッ。」
「皆さん、おはよう。」
「お、お母さん。」
「お祖父ちゃんのことは、良く覚えていないのも無理なはずよ。」
「そうなの。」
「美希ちゃんと祈里ちゃんは、まだ詳しい話をしていないからもう1度お話するわ。」
「はい。」
「バブルがはじけてから、畳の注文が激減し更に洋間化でまた注文が減り、費用がかかると言って痛んだ畳を我慢して使い続けるようになり、修理などのメンテナンス注文・依頼も激減。これらが畳屋の経営を圧迫し、そのショックで祖父は病に伏せり、1年後に亡くなったわ。」
「そうでしたか。」
「祖母も6年前に亡くなったわ。」
「お祖母ちゃんも。」
「私、あの巨大な団地が建ち並ぶ前の時代へ戻りたいなら、戻ってみたいわ。」
「おばさん、その頃がお家の一番良かった時代なのね。」
「そうよ。」
「でも、私、何かすごく大切なものを置き忘れたような気がして。」
高島平駅北商店街にあ
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