暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
チームバトル
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーや」

再び同様のパフォーマンスが起こり、当然ながら名は描かれないが、代わりに一輝が取り戻した旗を描く。日の昇る丘と少女の、旗印を。
これまでではありえなかったその光景に対して二人の少女はその顔に笑みとやる気を見せ、一人の少年は、ほんの一瞬だけ悔しさをにじませる。

「さ、お互いに準備はええな?もうどっちも豪華景品をもらえるのは確定しとるけど、どうせなら上目指してぇな。ほな・・・決勝、始め!」



========



ゲーム開始と同時に、“アーチャーズ”の三人は一人二門ずつのマシンガンを構え、弾幕を張った。連射である。『到底比べ物にならないくらい強いし、先手を打とう』という考えでの連射である。これでダメージを与えることができれば十分、万が一にも一人でも倒すことができたのなら御の字のその作戦は・・・

「ふんっ!」

しかし、耀の繰り出す、グリフォンの恩恵によって防がれる。高密度で張られた風の壁は、弾の一つでも通ることを許さない。

「ありがとう、春日部さん。おかげで助かったわ」
「ううん、別に私が何かしなくても大丈夫だったと思うんだけど」
「アルマがいれば大丈夫だったかもしれないけど、今回のゲームでは使わないもの。私自身の身体能力はただの人間と変わらないし」
「お嬢様の言うとおりだぜ、春日部。だからやっぱり、さっきのはナイスプレーだ」

いつも通りの表情の二人からの言葉に耀は小さく笑みを向け、すぐに正面に戻す。そこでは、相手がマシンガンを捨て、それぞれの得意な武器を手にしているところだった。

今回のゲームでも、三人は自分の力を抑えてゲームに参加している。我路炉に言われたように、これは全力を出していいゲームではないのだから。
その結果、耀は『合成をおこなわず単一での行使のみを行い、また最強種の具現は行わない』。飛鳥は『アルマテイアとディーンの使用禁止』。十六夜は『力や防御力を強制的に落とす枷の着用』。といった形での制限を受けている。
よって今回、耀が何もしていなければ飛鳥はリタイアしていたのは間違いないだろう。

「じゃあ、ここからは予定通りに?」
「そうね。じゃあ私はあの弓を持ってる人にするわ」
「なら俺はライフルのやつでいいか?」
「うん、いいよ。私がボウガンの人の相手をするから」

どうやら、三人は最初からこのような形で予定を立てていたらしい。つまり、完全な一対一。
実はこの三人、初戦で三対三をやろうとした結果、相手の緻密に練られた作戦にしてやられているのだ。その時はどうにかぎりぎりで勝利したものの、それ以降は『基本一対一、何か必要ならサポート』という戦術で固定された。チームバトルの意味がない。
なお、ちゃんとした多対多の戦い方は、後日練習するそうだ。

「では・・・
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ