誕生、前代未聞の冒険者
第三話
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に、僕は話を進めておく。
「残りは貯蓄で。…口座は…、」
「冒険者のカードでご利用できますよ。」
「じゃあそれで。」
手早く手続きを終わらせ、浴びるように酒を飲む冒険者達を見て告げる。
「皆さん!僕は用があるので先に失礼しますが、大いに楽しんでください!」
「おうともよ!飲ませてもらうぜ!」
「次稼いだら、また御相伴に預かるからな!」
次々に好意的な声を貰い、その場を後にする。…御飯、あるかな?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
結局、宿に戻ってきたのは、夕食には遅すぎる時刻になっていた。
「戻りましたー。」
取り敢えず、声を掛ける。すると、女将さんが出てきた。
「お帰り。どうだい、なんとかなったかい?」
女将さんが悪戯っぽく聞いてくる。その問に、満面の笑みと、ピースで答えた。
「その顔ならなりよりだよ。お腹空かしてるだろう?用意してあるよ。」
「…いいの?」
迷惑をかけたのでは、と不安になる。
「良いんだよ。坊やみたいなのは、沢山食べて、大きくならないと!」
そうだろう?と優しく告げられた僕の身体中に、暖かい気持ちが流れてくる。嬉しいという気持ちが。だから伝えるのだ、溢れる笑顔で、ありったけの感謝を。
「……ありがとう!!」
「どういたしまして。さあ、おいで。」
濃密な一日は、こうして幕を閉じる。斯くして、楠英司のダンジョンを進む日々が始まるのであった。
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