誕生、前代未聞の冒険者
第三話
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そのまま勢いを殺すことなく空中で足から炎を噴射、ゴブリンキングの心臓を蹴り抜いた。
何も出来ず地に落ちるゴブリンキング。そして一方的に打ち破った英司は、
『熱い!熱い熱い熱い!防火対策必須だよホット・ペッパー!』
炎の熱に悶えていた。
『アーティファクト使いかよ!?』
冒険者達が総出でツッコミを入れた。
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その後も英司の快進撃は止まらず、
『take off!!』
妙に流暢な発音で二十階のボスの『ジェネラルコボルト』に人間ミサイルと化して風穴を作り、
『焼き付くせー!!』
三十階のボスモンスター、『クリスタルスケルトン』を熱線で溶かす。
冒険者達の誰もが絶句している。ここまで約一時間半程度しか経っていない。明らかに速度が上がっている。驚くことに、きっちりとパーティを組んで、理想的に準備を整えた熟練の冒険者が出せるかどうかの速度だ。
「ただいまー!」
冒険者が呆然自失としている間に、英司が帰ってきた。
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いやはや…。凄いなダンジョンってのは!見たこともない鉱石、色鮮やかな草木、行く手を遮るモンスター達!…大半即退場願ったが。
それもこれも、ホット・ペッパーの力が大きい。これがなければ、少しも先に進めなかったと思える。
それにしても、静かになったものだ。あれだけ行く前は騒いでいたのに。まあ良いや。
受付に再び向かい、声を掛ける。
「ここってダンジョンで手に入れた品物とかって買い取ってもらえるの?」
「あ、は、はい。伺います!」
腰に付けていたポーチを外し、受付嬢に渡す。
「少々お待ちください。」
受付嬢が査定の為に席を外すと、冒険者達が堰を切ったように集まってきた。
「おいおいアーティファクト使いならそう言えよ!」
「やるな坊主!笑って悪かった!」
「今度一緒に組もうぜ!!」
冒険者達に背を叩かれ、肩を抱かれ、頭を乱暴に撫でられる。揉みくちゃにされてはいるが、悪い気はしない。
そうして冒険者達と騒いでいると、受付嬢が若干顔を青ざめさせ、やって来た。
「お、お待たせしました…。楠様お売りの合計、
58239640円になります。」
「五千八百万ん!?」
そんな額を告げられた僕は、内心ダンジョン凄え!と、驚愕していた。
が、周りからの視線が痛い。まあ、これだけあるのだ。多少の散財は構わないだろう。
「よし、決めた!受付さん!五百万円分落としてください、その分をここにいる冒険者の皆さんの飲食代に!」
『『『!?』』』
「僕からの、ダンジョン初挑戦と帰還の祝いです!」
『『『オオオォ!!!』』』
冒険者達が歓喜の声を上げる。その間
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