誕生、前代未聞の冒険者
第三話
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である。無理もない話だが。
「こちらに名前と年齢をお願いします。」
渡されたペンで、書類に名前と年齢を書く。後は恒例の自己責任の確認に丸をして返すと、受付嬢が席を外し、数分でカードを持ってきた。
「お待たせしました。こちら、楠様の冒険者資格のカードとなります。紛失されると再発行に時間と費用がかかりますので、無くさないようお願いします。」
受付嬢からカードを受けとる。これで僕も冒険者になったわけだ。
「本日、楠様はダンジョン挑戦とのことですので、こちらから、【アイテムポーチ】を支給させていただきます。」
受付嬢の説明では、ダンジョン内の資源や魔物の素材等をポーチの中に収納できるらしい。容量もかなりの物らしく、重さも感じないとか。
因みに、これはあくまで『貸し出し』で、いずれは自分用のを買ってくれとのこと。しっかりしたやり方をしている。
「では、どちらに行かれますか?」
「潜る方で。」
「分かりました。ダンジョンには十階毎にボスと称されるモンスターが居ます。こちらでもその階は確認できますので、助けが欲しければ、躊躇なくお求めください。それでは、御武運を。」
受付嬢と周りから見送られ、ダンジョンに入る。いっちょ、やりますか!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
英司がダンジョンに潜っていった後、見ていた冒険者たちは、英司をネタに話しに興じていた。
「あのガキじゃダンジョンは無理だ。すぐに逃げ帰ってくる。」
「一時間が目処だな。逃げ帰ってくるか、死んだか。」
「ま、帰ってきたら、笑ってやろうぜ。」
〜1時間後〜
「ふーん、逃げ帰ってくる訳ではないのな。」
「死んだんじゃないか?」
〜更に1時間後〜
「音沙汰なしだと気になるな、探しに行ってみるか?」
「そうする…いや待て、見てみろ!」
冒険者が指差した先には巨大なスクリーン。受付嬢が言った、十階毎のボスモンスター戦を写すそこに、英司が『無傷』で立っていた。
「おいおい、冗談だろ?ソロで無傷とか有り得ねえぞ!?」
「逃げ回った末じゃないのか?」
「にしては息を切らしてない。余裕の表情だ!だが…!」
スクリーン越しに現れたのは、緑の肌の魔物。ただし、王冠を被った巨大な、がつくが。
「ゴブリンキングか!坊主、俺達を呼べ!」
「ちっ、あのガキ運が悪い…!」
冒険者達が伝わらない叫びを出す。それもそのはず、ゴブリンキングは一番最初のボスとは言え、その力は段違い。初見かつ一人の敵う相手ではない、と言うのが冒険者達が持つ共通の見識だった。
だが、次の瞬間、冒険者は目を疑う。英司が一瞬でゴブリンキングに接近し、足から炎を噴射した勢いのまま土手っ腹にジャンピングアッパー。易々とその巨大な体躯を宙に運び、
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