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Fate / the beelzebub comes.(魔王来たりて)
第2話 槍の騎士(ランサー)
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も聞いていなかったのだから。

「じゃあ、俺から説明しようか。
 ・・・先ずはバゼットと言ったか?お前はキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグって名前に聞き覚えがあるか?」

その名前には聞き覚えがある・・・というよりも世界から与えられた情報の中にその人物についての内容が存在していた。

「ッ!?・・・かの宝石翁の事を、私達魔術師の間で知らぬ者は居ませんよ。」
一瞬驚きの表情を見せた後、直ぐに冷静さを取り戻したバゼットが語る。

曰く、次元を旅する第二魔法の使い手・・・魔術を行使する人間全てが追い求めてやまない極致に到達した偉大なる魔術師。

そして赤い月を殲滅した強力な人間・・・

「しかし、かの宝石翁がどうしたというのですか?」

「・・・その爺さんが俺をこの世界に喚んだんだよ。・・・この聖杯戦争を潰す為にな。」

ッ!?
「なっ!?宝石翁が貴方を召喚したと!?それも、聖杯戦争を潰す為にですか!?」

シリウス様は詰め寄るバゼットをあしらいながら、それを肯定する。

「ああ、本人が言うには聖杯戦争が本来の目的からあまりにもかけ離れてしまったので、
 システム構築に関わった人間としては我慢がならんらしい。」

「・・・宝石翁が聖杯戦争のシステム構築に携わった事は聞いていましたが・・・まさか本人がシステムの破棄を望んでいたとは・・・
 協会がこの話を聞いたら卒倒する事でしょうね。」

動揺を隠す様にバゼットは懐から煙草を取り出し、火を着け様とするが―――――

「・・・しっかり動揺しとるな。」
ライターを持つ手が定まらず、一向に火が着かない。

「まあいい・・で、だ――――お前達も別に聖杯自体を望んでる訳じゃなさそうだし、俺達と同盟を組まないか?」
そんな彼女に精神の立て直しを許さず、シリウス様は追撃を敢行する。


「「「・・・・・・・・・・・・は?」」」

「「「っ!?――――何|(ですって)(だと)!?」」」

ランサー組の2人は勿論、そんな事は全く予想していなかった私も、その発言に暫く思考が停止せざるを負えなくなっていた。













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