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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 18 「元気な赤と妖艶なピンク」
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面倒を見てもらっておるし、愚痴も聞いてもらっているから感謝しておるわけで……!?」

 うん、お前の伝えたい事は分かってるから落ち着け。これ以上の発言は、お互いの首を絞めていくだけだぞ。

「何かしら……王さまの発言とか聞いていると、恋人というよりは新婚さんに思えてくるわね」
「だ、誰が夫婦だ! そそそのような馬鹿な発言ばかりするでない。そもそも、我々はまだ中学生ぞ。結婚できる年ではないわ!」
「ふふん、なら結婚できる年になったら?」
「するわけなかろう!」
「お、おふたりともそこまでです! 周りのお客さんの迷惑になりますから落ち着いてください!」

 先輩の必死の制止によって、どうにか口論にも近い会話は終わりを迎えた。フローリアンは満足げな笑みを浮かべている。一方ディアーチェは、湯気が出そうなほど顔を真っ赤に染めて俯いている。まああれだけ人前で騒げば無理もない。
 ディアーチェを見ていると、フローリアンには羞恥心がないように思えてくる。今も苦笑いの店員さんに何事もなかったように注文しているし。こいつ、もしかするとはやて以上の大物かもしれない。

「いや〜みんなでおしゃべりすると楽しいわね」
「楽しいのはお前だけだろ」
「そうかしら? 意外とこういうのがあとで思い出として残ったりするものよん」

 それはインパクトの問題だろ。で、場を掻き回した奴ほど覚えてないっていう……。

「キ……キリエは、ずいぶんとショウさんと親しいようですね」
「あらお姉ちゃん、やきもちかしら?」
「ち、違います!」
「お姉ちゃん、大声出すと周りの人に迷惑よ」
「あなたのせいではないですか!」

 小声で怒鳴るなんて先輩も器用な真似ができる人だな。フローリアンみたいな妹を持っていたら自然と磨かれそうな技術なんだろうけど。

「別に親しくはないですよ」
「またまた〜そんな連れないこと言って。この前デートしたじゃない」
「デ、デート!? キリエ、そのような話を私は聞いていませんよ!」
「あらん? 言ってなかったかしら。この水着もそのときに買ったんだけど」

 おいフローリアン、水着はフェイトと一緒に買っただろ。話にフェイトの存在を出してから話せよ。今の言い方だと確実に先輩誤解するだろうが。

「な……ま、まさかすでにふたりがそのような仲になっていたなんて」
「そうよ、下の子はいつの間にか成長するものなの。まあ途中からハラオウンさんと一緒になって、水着は彼女と買ったんだけどね。正直に言えば、デートなんて呼べるものじゃなかったんだけど」
「そうなんですか?」
「そうよ。私がお姉ちゃんが悲しむようなことするわけないじゃない」

 いやいや。今日だけでもずいぶんと先輩のことからかってただろ。どうしてそんなことが言え……
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