空白期 中学編 18 「元気な赤と妖艶なピンク」
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の顔色が一変する。
しまった……そういえばこの手の話題を振られる可能性があったんだ。一緒に居たほうが不味かったかもしれない。
「ななな……ディ、ディアーチェさんデートなんですか!?」
「ちち違う! 他の者も一緒に来ておる。わ、我らは先に昼食を取っているだけだ!」
「な、なるほど。キ、キリエ、憶測で適当なことを言うものではありません!」
ふたりの反応を見て満足したのか、フローリアンは笑いながら返事をすると空いていた席に腰を下ろしてしまった。それを見たふたりは再び何か言いそうになる。
しかし、俺やディアーチェからすれば別の場所に行かせようとすると再び疑われることになり、先輩が気を利かせようとしても似たような展開になりかねない。故に俺達は4人で食事を取ることになってしまった。
「ショウくんの美味しそうね。一口ちょうだい」
「いや、自分で頼めよ」
「ケチ。いいじゃない一口くらい」
ケチで結構だよ……あぁもう、近づいてくるなよ。お前、今の自分の格好分かってるのか。いや分かってるよな。お前は分かっててやる奴だもんな。
こういう奴には、経験上あえて抵抗せずに要求に従うと大人しくなる可能性が高いのだが……ディアーチェと先輩の目があるわけで。絶対このふたりはそういうことは許さない派だよな。
「ね、一口だけ?」
「キ、キリエ! わ、私の目が黒いうちはふ、不純異性交遊は認めませんよ!」
「お姉ちゃんは真面目というか冗談が分からない人よね。それに基本元気ハツラツな人だし、だから学校で風紀お姉ちゃん《あみたん》とか呼ばれるのよ」
「人をマスコットキャラみたいに言わないでください!?」
先輩って……フローリアン相手には何でもハキハキとしゃべるんだな。まあ妹だから不思議なことじゃないんだけど。
「キリエ、そんなに食べたいのならば我のをくれてやる」
「だから私のショウくんには手を出すな、ってことかしらん?」
「だ、誰がそのようなことを言った! べべ別に我はそいつのことなど何とも思っておらぬわ。どれくらいかと言うとだな……あ、赤の他人レベルだ!」
あ、赤の他人……いやまあ、ディアーチェにはディアーチェの好みがあるだろうし、一緒に暮らせてるわけだから異性として思われないのも仕方がないように思える。
けど……うん、この何とも言えない気持ちはなんだろう。親しくしていると思っていた異性から言われたのが初めてだからか、妙に心にダメージが……。
「王さま、ショウくんとはもう何年もの付き合いなんでしょ? さすがに赤の他人はひどいんじゃないかしら。ショウくんだって年頃の男の子なんだから結構傷ついたと思うわよ」
「え、あ、いや……べ別にショウのことが嫌いとかそういうわけではなくてだな。ショウには手間の掛かる奴らの
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