空白期 中学編 18 「元気な赤と妖艶なピンク」
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姉さんの笑みが何を意味していたのかは、あえて考えないようにしておく。
「……もう少しゆっくり食べたらどうなのだ。早食いは体に悪いぞ」
「……そっちは逆に全然食べてないじゃないか」
「女子がガツガツと食うべきではないだろう」
別にガツガツと食べる女子もそれはそれでありだと思うが……まあディアーチェにはディアーチェの考え方があるし、一般的に上品に食べたほうがいいのも事実だろう。
そもそも、彼女はアリサやすずかのようにお嬢様育ちなのだ。ファストフードもあまり食べたことはないだろう。小口で食べてしまうのも無理はない。
「まあそうだな。レヴィのように口元汚されたら……それはそれで見てみたいが」
「誰が見せるか。どうしてもそのような姿が見たいなら小鴉にでもやってもらえ」
「いや、あいつのを見ても珍しさがないし」
頼めば案外簡単にやってくれそうだし、前に何度か見たことがある。
最初口元を拭いてやったときは恥ずかしがっていたが、二度目からは決まり文句のように「いやぁ〜出来の良い弟を持ててお姉ちゃんは幸せやな」とか言っていた。見る価値はこれといってない気がする。
「あらん? どこかで見た顔と思ったらショウくんじゃない」
聞き覚えのある声に意識を向けてみると、髪色より淡い色の水着を着たフローリアンの姿があった。分かっていたことではあるが、やはりスタイルの良い奴だ。またスクール水着よりも露出が多めなだけに色気も増しているように思える。
「キリエ、勝手に動かないで……ショショショショウさん!?」
フローリアンに1歩遅れて現れたのは、彼女の姉であるアミティエ先輩だ。場所がプールであるため、先輩も水着を着ているのだが……それ以上に熱があるのではないかと思うほど赤くなった顔が気になって仕方がない。
出会った頃からこんな感じだけど少しは慣れてくれないだろうか。毎度のように過剰に反応させるとこちらとしても対応に困るのだが……。
「こらこらお姉ちゃん、王さまも一緒に居るのよん。ショウくんばかり見ちゃうのは分かるけど、ちゃんと王さまのことも見てあげなきゃ王さまいじけちゃうわ」
「べ、別にショウさんばかり見てませんよ!? そそそれにディアーチェさんのことだって見てます!?」
「アミタよ……別にいじけてなどおらぬから落ち着け。キリエ、貴様も姉をからかうのはほどほどにせぬか」
俺よりも交流が深かっただけにディアーチェはフローリアン姉妹との接し方に慣れているようだ。俺だけで出会ったいたらどうなっていたか分からないだけに、ディアーチェと一緒に居て良かった。
「もう、王様は昔から真面目ね……ところで見た感じふたりだけみたいだけど、もしかしてデートかしらん?」
いじわるな笑みで放たれた言葉にディアーチェ
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