お願いがあるんだ
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しく抱き包んだ。
「(もし子供が出来たら、ルーネスのような息子というのも悪くないな。将来の事を考えると、ルーネスにもいつか子供が……? あまり想像つかないが────。お前は一体クリスタルの前で、何を願ったんだ………?)」
「 ────ぎゃあーっ?! どーなってんだあぁ!?」
翌日の早朝、部屋中に叫び声が響き渡る。
……目覚めた時、間近に抱かれていた存在に驚いてベッドから飛び起きた本人はちょっとしたパニックに陥った。
「何だ……、朝からうるさい奴────んッ?」
「ちょっと〜、静かにしてよね。もう少し寝かせて………あらっ?」
「なに、どうしたのルーネス………あ、元に戻ってる?!」
イングズ、レフィア、アルクゥの3人が目を覚ますと、部屋の隅に逃げ込んだ幼児化ではないルーネスが、自分の身体を両腕で抱え込むようにして立ち竦んでいた。
────上半身に着ていたのと下半身に穿いていた物が身の丈に合わず短くなっており、ヘソが出てしまっている。
「な、なな……っ、何で一緒のベッドにイングズが────何が、起きたんだよっ。おれ何も覚えてない……!?」
「お、落ち着けルーネス、別に私は何もしていない! それにこの部屋にはアルクゥとレフィアも居るだろう、何もやましい事は──── 」
慌てて弁解するかのようなイングズ。
「ルーネス、ほんとに何も覚えてないの? 自分が幼児化しちゃってた事とか………」
「は? ヨージカ……?? 意味分かんねーこと云うなよアルクゥ!」
「あ〜らら、記憶がその部分だけぶっ飛んでるみたいね。じゃあ何、祭壇の洞窟のクリスタルの前まで行った事も覚えてないわけ?」
レフィアが核心に迫った。
「へ? おれが……?? ─────ぁ」
何か思い出したように、ハッとするルーネス。
「やっぱり自分から行ったのね! 何なに、クリスタルに一体何お願いしたのよ? 幼児化してイングズにべったりしたかっただけなわけっ?」
「んなワケあるか!? 小さい頃に戻してくれなんて一言も………おれ、ほんとは─────だあぁっ、もういい! アルクゥ、おれの元の服どこだ?!」
「あ……、村に戻らないとないよ?」
「……そんなヘソの出た身の丈に合わない格好では、人目を引くだろう。私の服を貸してやるぞ」
「い、いらねーよ! イングズのなんか着れるか! アルクゥの着てるコートみたいなやつ貸せっ」
「え? いいけど……うわっ、ムリヤリ脱がさないでぇ〜!」
ルーネスは、アルクゥから上着を奪って羽織った。
「いいやこれで……、村に戻るまでの辛抱だっ。じゃあおれ、帰る」
「あ〜ぁ、幼児化してたあんた素直でかわいかったのにね
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