お願いがあるんだ
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いてあげてもいいけれど──── 」
半ば強引に、サラ姫の胸元から眠ったルーネスを引き離すイングズ。
「……サロニアに向かうにしても出発は明日にしたらどうかしら、もう夕方だもの。今夜はみんな城に泊まってくといいわ、4人部屋の広い客室を使いなさいな。レフィアは、別室の方がいいかしら?」
「一緒でいいわ! この3人と同じ場所で寝るの、慣れてるものっ」
サラ姫からの厚意を受け、サスーン城で一晩一緒に過ごす事になった4人。
───イングズは、あどけなく眠るルーネスをベッドの1つにそっと寝かせ、上掛けをかけてやり一息ついた。
「フゥ……、面倒な事になったものだ」
「いっそこのままにしといてもよくない? あたし達で育て直すとか……!」
「レフィア、それはさすがに──── 」
「んぅ〜、いんぐじゅどこ……? いなくなっちゃやだ……っ」
うなされているのか、ルーネスは目をぎゅっとつむったまま左右に何度も寝返りを打つ。
「私はここに居るぞ、……大丈夫だからな」
イングズが傍で片手を握ってやると、安心した様子で大人しくなった。
「なんでかな……、イングズにばかり懐くのって」
若干不公平に思うアルクゥに、レフィアが自分なりの見解を述べる。
「元々、イングズにべったりしたかったんでしょ。幼児化したら素直に甘えられるようになったってだけじゃないの?」
「そうなのか? だが、私にはよく反発して──── 」
「だ〜か〜ら、素直じゃなかっただけだってば! ほんとはもっと仲良くなりたかったくせに、表向きは逆の態度とっちゃって……」
「あぁ、そっか。ルーネスはイングズの事、慕ってたんだね? ……だからって、クリスタルの前で幼児化しなくてもいいと思うけど」
どうも腑に落ちないアルクゥ。
「もしかして、クリスタルに口止めしておいて故意に幼児化したとかっ?」
「そんな邪な願いを、クリスタルは叶えるのか………?」
レフィアの考えに、呆れ気味のイングズ。
「だってあたし達、元光の戦士よ? 個人的なお願いの1つや2つ、叶えてくれたっていいじゃない。あたしも何か、願い出てみようかしら……!」
「まだそうとは限らないし、とにかく今はルーネスを元に戻す方法を探そうよ」
1人盛り上がるレフィアを、落ち着かせるように云うアルクゥ。
「分かってるわよっ、あたし達も明日に備えてもう寝ましょっか。……イングズは、ルーネスと一緒に寝てあげたら? あなたが傍に居ないと、寂しがるでしょ」
「む……、仕方ないな」
横向きに添い寝する形でベッドに入ると、小さな体をすり寄せてきた幼いルーネスをイングズは愛らしく思い、頭をそっと撫でて両腕の中に優
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