お願いがあるんだ
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煌々と輝いているだけで以前のように語りかけてくれない。
「まさか………」
イングズは片膝を付いて身を屈め、不自然に盛り上がっている中心部分に触れて揺すってみた。すると────
「ひゃっ、何か動いた?!」
「ルーネスの服の中に、何かいる……!?」
レフィアとアルクゥは驚き、互いに身を寄せ合う。
『ん〜……、んん〜〜………!』
呻くようなこもった声を上げ、もぞもぞとうごめいて紫のタートルネックからいつもより小さい頭をぴょっこり出したその存在は─────
「え………? る、ルーネス?! しかも、小さい頃の……!」
見覚えのある幼馴染みの幼い頃の顔立ちを目にして思わず目をこすり、二度見するアルクゥ。
「はぁ!? 何よそれっ、ミニマムの魔法で小さくなったとかじゃないの?」
「いや、違うと思うぞレフィア。ミニマムだったら、身に付けている物も共に縮むはずだ。……見るからに今のルーネスには、着ている服がぶかぶかだろう」
イングズの云う通り、袖から手は出ていないしズボンの裾から足も出ておらず、ルーネスはタートルネックからいつもよりずっと幼い顔立ちを出したままキョトンとしていた。髪は全体的に少し短くなっていたが、髪形はそれほど変わっていない。
「ルーネス、お前………一体どうした。私は幼い頃のお前は知らないが、これは──── 」
「 ………? ────! いんぐじゅ!!」
イングズに目の焦点が合うとパァっと笑顔になり、幼児化ルーネスはぶかぶかな両袖をバッと広げ、片膝を付いて身を屈めていたイングズの首回りに飛び付き、その際ズボンからするりと抜けてしまうが下半身はぶかぶかな衣服の裾に膝下まで隠れたのでセーフだった。
「こ、こら! いきなり何だ……!?」
「いんぐじゅ〜、だっこだっこぉ〜〜!」
「ず、ずいぶん声もしゃべり方も見た目同様幼くなったわね……。"いんぐじゅ"なんて云っちゃって」
「あぁ……、訳が分からないよ?? どうしちゃったのさルーネスっ」
レフィアは内心かわいいと思ってしまい、アルクゥはちょっとした目眩を覚えた。
「いんぐじゅ〜、らいしゅき〜♪」
「ら、らいしゅき………??」
幼いルーネスに頭を擦り寄られ、云われた単語がよく分からないイングズにレフィアが解釈して教える。
「あなたの事が、"大好き"って云ってるんじゃない?」
「は……? そう云われても、困るんだが」
「いいじゃないの、幼いルーネスの云う事なんだから許してやりなさいよっ」
「……く、クリスタルさん! 僕の声が聞こえますか?! ルーネスに何があったか……もしくは何をしたか、教えてくれませんか!」
アルクゥがいつも以上に声を上げて
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