お願いがあるんだ
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光の戦士としての旅を終えて約1ヶ月────アルクゥがレフィアを連れて、慌てた様子でサスーン城のイングズの元にやって来た。
「イングズ! ルーネス、こっちに来てない?」
「どうした、二人共。ルーネスに何かあったのか?」
「昨日の夜から、家に帰ってないんだ……!」
「あたしのとこにも特別来てなかったから、イングズのとこにでも行ったんじゃないかってアルクゥと二人で来てみたんだけど……、ここにもいないみたいね」
アルクゥよりは心配してなさそうなレフィアだがため息をもらし、イングズはアルクゥに問いかける。
「……何か、最近ルーネスに変わった所はなかったか?」
「何ていうか……、あの旅が終わってからのルーネスはぼーっとしてる事が多くて、話しかけても生返事ばかりだったんだ。レフィアやイングズに会いに行こうかって云っても、行かないって云うし………。昨日の夕方、1人でウル村を出て行こうとしてたから、どこ行くのって聞いたんだけど付いて来んなって云われて、それきり戻って来なかったんだよ……!」
「あたし達が自由に使っていい飛空艇は置いてあったままだったし、浮遊大陸からは出てないと思うんだけどね」
レフィアがそう付け加え、イングズは一抹の不安を覚える。
「近い内に、こちらから会いに行こうとは思っていたが………どこへ行ったんだ、あいつは」
「僕、村の入口でしばらく待ってたんだけど、夜遅くに北側方面から少しの間空に向かって白い光が走ったのが見えたんだ……。何か、関係あると思う?」
「ん……? そういえば私も見たな。城の見張り塔から、北東に見えた。調査隊を近く派遣する話になっていたんだが──── 」
アルクゥの話からイングズがそう述べ、レフィアが思い当たったように云う。
「ウル村の北側って、"祭壇の洞窟"があってそこからクリスタルのある場所へ行けるわよね。そこへ行ったかもしれないルーネスに、何かあったとか……?」
「行ってみるに越した事はないな、そこのクリスタルに話を聞いてみるのも手だ」
────輝けるクリスタルの祭壇前に、ルーネスの着ていた服の"脱け殻"のような物が、横たわっていた。
「そんな、ルーネスが……?!」
「え、何、服だけ残ってるってどういう事っ?」
「これは、一体………」
アルクゥ、レフィア、イングズの3人は祭壇前に駆け寄った。……服の脱け殻の割には、中心部分だけ不自然に少し盛り上がっている。
「どど、どうしよう………ルーネスが服だけ残して、居なくなってるよ!?」
「落ち着きなさいよアルクゥ……! ちょっと、クリスタルさん! 何があったか教えてくれるかしらっ?」
レフィアが顔を上げてクリスタルに問いかけるも、
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