parallel world7−『真の闇』−
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られるのだ。性格もどこか前の人を馬鹿にしたような感じではない。
どちらかといえば、心優しい青年のような、前のアルマとは全く違った印象だった。
しかし今はそんな事を気にしている暇は無い。これも後で調べるとしよう……と内心で意気込み、アルマの言葉に耳を傾ける。
「してほしい事ってのはなんだ?」
「要約すると、『君の闇』の力を借りたい」
「……どういう事だ?」
君の闇。つまり、ただの闇の力では無理ということなのだろうか。
アルマは、その疑問に答えるように続けた。
「君の闇は、ただの闇の力じゃない。気が付いているかい?君の闇は、あまりにも暗い」
「暗いって……そりゃ闇は暗いだろ」
「物理的にじゃないよ。言うなれば性質だ。君の闇は、真実の闇に唯一干渉できる物だ」
苦笑しながらアルマが答える。また知らない単語が出てきた。
「……真実の闇?」
「僕もどういう物かは知らない。但しそこに、この状況を打開できる方法があるのは確かだ」
アルマは真剣に答える。どうやら嘘ではないらしい。
そして、それに干渉できるのはダークの闇だけ。
それを解き明かしてほしい。そう頼まれたのだ。
「……出来るかの確証は無いぞ」
「承知の上だ」
「そもそもここからどう動く?」
「転移には時間が掛かるだろう。僕が時間を稼ぐ」
「やり方すら知らないぞ」
「君なら見つけ出せる。信じているよ」
__全く、調子が狂う
「はぁ……お前、ホントにアルマかよ?イメージが違いすぎるぞ?」
「あはは、その様子だと、随分と1番目は無茶してたんだね」
苦笑いしながらアルマが言う。
自然に頭を掻き、疲れたように言う。
しかし、ダークは聞き逃さない。
いや、誰だって聞き逃しはしないだろう。
−−1番目……?
「−−オイ、1番目ってどういう事__」
ガウンッ??
アルマの姿が消えた。
大地に、クレーターが現れる。
天井が一気に崩壊し、ダークの姿を覆い隠していく。
さっさと行けとでも言うかのように、瓦礫はダークと地上を繋ぐ道を塞いでいった。
「……チッ!後でじっくり教えてもらうからな!」
闇を収束させ、扉を形作っていく。
少しずつ闇は形成されていき、数秒ほどでその形を完成させた。
すぐにそこに飛び込む。
完全に入る寸前、少しだけ出ていた指先に凄まじい重みを感じたが、影響される事はなくダークは世界を抜け出した。
突如街の一部に徹底的な破壊がもたらされ、無数の建造物が崩壊した。
しかし、奇妙な事に死亡者、および怪我人は0。
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