捨て艦と呼ばれる手法で殺されていく小・中学生達
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瞬く間に世界の海を支配したモノたちがいた。
ソレらにはなぜか化学兵器の一切が通用しなかった。
どこからともなく湧いてくるソレらは深海棲艦と呼称された。
そしてある日、ソレらに対抗できる存在が現れた。
かつての戦闘艦艇の能力を持った少女たちである。
彼女らは艦娘(かんむす)と呼称され、人類の希望として深海棲艦との戦闘に投入されていった。
艦娘と普通の人間の違いについて考えてみよう
まずはじめに知っておかなければならないのは、彼女たちはどこにでもいる普通の人間であるということだ。
そう、普通の人間なのである。
感情もあれば生理活動もある。
特別なのは“艤装”と呼称される人間サイズに縮小された“かつての船体の一部”を身につけると“戦闘艦艇としての能力”が発揮できるようになるという一点だけだ。
誰がどういういきさつで発見したのかは定かではないが、この能力によって発生する“攻撃”だけが深海棲艦に通用する。
ただ、この艤装を扱うのは普通の人間であるので、しっかりとした訓練を施さないと‘拳銃を持った子供’の拡大版になってしまうだけだ。
ここまでの話を単純化すると、艦娘とは特殊なパイロットでしかないと言える。
しかし、艦娘となった者達には同時に複数存在するようになるという普通の人間との大きな違いがある。
さて、問題となってくるのが‘複数同時に存在する’という違いである。
これは人間の個体性を否定するものであり、生理的な嫌悪感を感じさせるものである。
私個人に限って言えばそのように感じることはないが、客観的に見てみれば‘全く同一の個人’が存在するという状況は確かに気持ち悪く感じても不思議はない。
そして、この気持ち悪さを逆手にとった考え方が生まれた。
曰く、アレらは人間ではない。道具である。
正直なところ私はこの意見は淘汰されると思っていた。
しかし、一部の者達の間ではこの考え方が定着してしまった。
最悪なのは彼らが艦娘の教練を担当していたという事実だろう。
艦娘を道具であると断じた彼らは、特定の艦娘の練度向上のため、或いは特定の海域の哨戒のために練度の低い艦娘を生贄にするようになった。
この行いは非常に不愉快であるが、一定以上の効果が認められるとして黙殺されていた。
そんな中、深海棲艦の巣窟を襲撃、これを殲滅せよという大規模作戦が展開された。
それから、壮絶な戦いが始まった。
初めのうちは良かった。
しかし、時間が進むにつれて頭を抱える教練担当者が増えていった。
彼らの下にいる艦娘達の実力では深海棲艦の戦力回復速度を上回る攻勢をかけることができなかった
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