嫌悪な空気をお届け
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「病み上がりが何処へ行こうと言うのかしら?」と、雪ノ下が極寒の目で俺を見つめていた。
時は既に遅かったのだ。
その後、どうして逃げようとしたのかと聞かれ、じっとしているのも何だからバイトに行こうとした。
と良いわけをした。……まぁ、散々罵倒されたのだが。
更にそこへ来訪者が訪れ、雪ノ下と目があった瞬間に冒頭へと戻る状態となったのだ。
因みに陽菜は逃げた。
「小町ちゃんと遊んで来ますね!」と言って逃げていった。
俺も連れていってほしいと切実に願ったのはおかしくないはずだろう。
「取り合えず二人とも。お見舞いに来てくれたのは嬉しいし、ありがたいと思う。
先ずは穏便に話をしようじゃないか」
…なんだろう。浮気のばれた夫の心境になってきた。
「鳴滝君。私は常に冷静を保っているわ。
むしろこちらの彼女が事を荒げていると思うのだけど」
「は?私から見るにアンタが冷静を保ちながら挑発してるように思うんだけど?」
「「…は?」」
何なのこれ?もうヤバイよ…!
会話に混ざるどころか阻害されて二人だけのバトル空間作りはじめてらっしゃる。
どうやって収拾つけるか分からんのですが…こんなとき誰か仲裁には入れる勇者が居ないものか………!
「ちぃーす…失礼しました」
「まてまてまてまてまてまてまてぇ!!」
突如現れたのは先日出来たばかりの友人、比企谷八幡だった。
比企谷は俺達を目視した瞬間に踵を返して帰ろうとしやがる。
「(お願い助けてマジで一生のお願い!」
俺は比企谷の足を掴み、小声で頼み込む。
「(バッカお前、こんな殺伐とした空気に自ら飛び込めって言うのか?
何処の自殺志願者だよ」
「(助けてくれよ!見舞い序でに!」
「(見舞いよりもこっちがメインだろ!俺には荷が重すぎる!」
あーでもない、こーでもない。
「鳴滝君。私はそろそろ帰ろうかと思うのだけど、良いかしら?」
比企谷と言い合ってしばらく、雪ノ下がそう進言してくる。
「へ?あ、ああ。分かった」
「九十九。私も今日は帰るよ。またバイト先でね」
どうやら沙紀さんも帰るようだ。
「そ、そう?分かった。またね」
もう何が何やら。
俺は流されるままに二人を見送った。
帰り際でさえも二人はお互いに視線でバチバチと牽制しあっており、はっきり言ってあの空気から解放されることを喜んだ俺は悪くない。
「なぁ、鳴滝………」
「何だ比企谷……」
再び居間に戻り、比企谷と対面して座る。
比企谷が話を切り出し、俺もそれに答えるべく返した。
「お前何したんだよ」
「何にもしてない……筈だ」
そもそもあの二人は見舞いに来ただけのはずで、誰が出会った瞬間に牽制
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