SAO編
攻略会議と再会
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からの情報とあればこの場の全員が信用するのは当然であった。
「死亡者二千人のうち三百人が元テスターということは、このゲームにおいてもはやβテスターなんてアドバンテージが存在しなくなりつつあることが分かると思う。これから先、βテスターだからと言って彼らを蔑ろにし続けるのは攻略の効率的に良くない。……別に今すぐ名乗り出ろとは言わないが、鼠を通して情報を流してくれるとありがたい。
要は、今何をすべきなのかを話し合って欲しい。それだけだ」
最初と同じように悠然と自分の座っていた位置に戻る。
皆異論はないようだ。
「うぐぐっ……へんっ」
さすがにキバオウも折れ、近場の席にどかっと座った。
「ほっ……」
場が収まったことに俺は一息ついた。
隣のレイはフード男、もといミトを凝視している。
「あの人、もしかして……」
隣の俺でもわずかに聞こえるくらいの声で呟く。
もしかして、彼が探していた人物なのだろうか。
「三人とも、貴重な意見をありがとう。キバオウさんの意見も分かるよ。オレだって右も左も解らないフィールドを、何度も死にそうになりながらここまで辿り着いたわけだからさ。でも、二人の言うとおり、今は前を見るべきじゃないか?元βテスターだからと言って排除するのは得策ではない、排除した結果、攻略が失敗したら意味がないじゃないか」
さすがにナイトを自称するだけのことはあると思わせる、こちらも実に爽やかな弁舌だった。聴衆の中でも深く頷いている者が何人もいる。元テスターを断罪するべし、という雰囲気が変わるのを感じて、俺は安堵の息を漏らし、続くディアベルの言葉に耳を傾けた。
「みんな、思うところはあるだろうけど、今だけはこの一層をクリアするために力を合わせて欲しい。どうしても元テスターとは戦えないっていう人は、残念だけど抜けてくれて構わないよ。ボス戦では、チームワークが大事だからね」
ぐるりと辺りを見回し、最後にキバオウをじっと見る。
キバオウはしばし視線を受け止めていたが、盛大に鼻を鳴らすと押し殺すような声で言った。
「ええわ……ここはあんさんに従うといたる。でもな、ボス戦が終わったら、白黒つけさせてもらうで」
「ああ……さてみんな、先ほどのエギルさんの話にもあったガイドブックだが、この会議が始まる前に最新版が発行された」
その言葉に全員がどよめく。
通称アルゴの攻略本、鼠のアルゴの本、というだけでなく、多くのプレイヤーがこの本の恩恵を受けていることから、信用できるというのが大きい。
「この本には、一層ボスの攻略法が載っていた。今からこの本を元に攻略会議を始めたいと思う」
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