SAO編
攻略会議と再会
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
える口には笑みはない。
「そこの……キバオウとか言ったか? あんた、βテスターが九千人の初心者を見捨て、自分たちだけ強くなって後は知らんぷりと言ったな?……その情報はどこから手に入れたんだ?」
「ワイは見とったんや、こんデスゲームが始まった瞬間に、βテスターどもは一目散に次の街に走りよった、九千人の初心者を置いてや! そのせいで今日までに二千人も死んでもうたんや、せやからワイは、βテスターどもにアイテムやら金やらを置いてけ言うとるんや!」
二千人の死亡者ーー、ここにいる全員が知っているが、改めて言われると実感が湧いてくる。
この場の皆が沈黙する、例に漏れずフードの男も沈黙している。それを見たキバオウは訝しむ。
「なんや、だんまりかいな。ひょっとしてあんた「仕方ないか」なんやと??」
男はゆっくりとした歩調で、広場中央にいるディアベルの下まで行き、ストレージから折りたたまれた紙を取り出し渡した。
ディアベルは戸惑いながらも受け取る。
「これは?」
「読んでみてくれ、そうすればわかる」
ゆっくりと紙を開き、ディアベルは黙読する。すると、ここからでも分かるほどに、ディアベルの目が見開かれた。
「これはっ……??」
俺とレイ、キバオウその他フード男を除く全員が不安そうにディアベルを見つめる。
ディアベルはフード男を見やり、男が頷くのを確認すると、コホンと咳払いをして、ディアベルは息を吸い込み、書かれていた内容を読み上げる。
「……十一月三十日、統計報告。
本日三十日までのSAO死亡者約二千人のうち、βテスターの死亡者はおよそ……」
そこまで言ってディアベルは言葉を詰まらせ、鎮痛な面持ちになるが、皆が見守る中、それでも言葉を続けた。
「三百人だ」
広場全体がどよめきに包まれる、βテスターが、初心者より知識と経験を持っていた彼らが三百人も死んだ、それはこの場の全員を驚かせるには十分だった。
案の定キバオウも面食らったようだったが、すぐさまディアベルに向く。
「そんなん、出所のわからないデマやろ!」
しかし、ディアベルは頭を横に振る。
「キバオウさん、この統計の製作者の欄には、ミト、それからアルゴと書かれている。おそらく鼠のアルゴだろう。……このミトというのは君のことでいいのかな?」
「ああ」
フード男、もといミトは短く答える。
鼠のアルゴーー前線で戦うプレイヤーで知らぬ者はいないとまで言われている情報屋アルゴ。売れるものは自分のステータスでさえも使う。情報によって金は高いが、その分信頼されている。そんな情報屋
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ