暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と青白の童子〜
SAO編
攻略会議と再会
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える口には笑みはない。

「そこの……キバオウとか言ったか? あんた、βテスターが九千人の初心者を見捨て、自分たちだけ強くなって後は知らんぷりと言ったな?……その情報はどこから手に入れたんだ?」

「ワイは見とったんや、こんデスゲームが始まった瞬間に、βテスターどもは一目散に次の街に走りよった、九千人の初心者を置いてや! そのせいで今日までに二千人も死んでもうたんや、せやからワイは、βテスターどもにアイテムやら金やらを置いてけ言うとるんや!」


二千人の死亡者ーー、ここにいる全員が知っているが、改めて言われると実感が湧いてくる。
この場の皆が沈黙する、例に漏れずフードの男も沈黙している。それを見たキバオウは訝しむ。

「なんや、だんまりかいな。ひょっとしてあんた「仕方ないか」なんやと??」

男はゆっくりとした歩調で、広場中央にいるディアベルの下まで行き、ストレージから折りたたまれた紙を取り出し渡した。

ディアベルは戸惑いながらも受け取る。

「これは?」

「読んでみてくれ、そうすればわかる」


ゆっくりと紙を開き、ディアベルは黙読する。すると、ここからでも分かるほどに、ディアベルの目が見開かれた。

「これはっ……??」


俺とレイ、キバオウその他フード男を除く全員が不安そうにディアベルを見つめる。
ディアベルはフード男を見やり、男が頷くのを確認すると、コホンと咳払いをして、ディアベルは息を吸い込み、書かれていた内容を読み上げる。

「……十一月三十日、統計報告。
本日三十日までのSAO死亡者約二千人のうち、βテスターの死亡者はおよそ……」

そこまで言ってディアベルは言葉を詰まらせ、鎮痛な面持ちになるが、皆が見守る中、それでも言葉を続けた。

「三百人だ」


広場全体がどよめきに包まれる、βテスターが、初心者より知識と経験を持っていた彼らが三百人も死んだ、それはこの場の全員を驚かせるには十分だった。
案の定キバオウも面食らったようだったが、すぐさまディアベルに向く。

「そんなん、出所のわからないデマやろ!」

しかし、ディアベルは頭を横に振る。

「キバオウさん、この統計の製作者の欄には、ミト、それからアルゴと書かれている。おそらく鼠のアルゴだろう。……このミトというのは君のことでいいのかな?」

「ああ」

フード男、もといミトは短く答える。


鼠のアルゴーー前線で戦うプレイヤーで知らぬ者はいないとまで言われている情報屋アルゴ。売れるものは自分のステータスでさえも使う。情報によって金は高いが、その分信頼されている。そんな情報屋
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