暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と青白の童子〜
SAO編
攻略会議と再会
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ば余計だろう。
何より、彼は嘘を付くようには見えない。

「……俺は、この層をクリアして、始まりの街で待っているみんなに、このゲームを終わらせることができると伝えたい」

ディアベルの熱弁に皆それぞれ頷き、聴き入る。彼の顔は真剣そのものだ。

「だが!俺一人にできることにも限度がある。そこでみんなにも協力して欲しい!俺はこのゲームをクリアしてみんなとともに現実に帰りたい!そうだろ?なぁ!」

拳を握りしめ、ディアベルは叫んだ。一瞬の沈黙の後、一人のプレイヤーが拍手し、それに呼応するようにその場の全員が拍手をしていく。

ディアベルは頭を下げ、感謝を表す。

「ありがとう。それでは早速、攻略についてだが……」

攻略に関する話をしようとした時思わぬ邪魔が入った。

「ちょい待ち!」

広場に降りてくる階段の上からその声は聞こえた。
全員が声のした方を見た。頭に無数のトンガリがある男だった。
男は軽快なステップで階段を駆け降り、ディアベルの前まで来た。


隣のレイは男をなにやら考えながら見つめていた。
俺がどうしたのか尋ねると、あぁと納得したように頷く。

「見たことあると思ったらモヤットボールじゃん」

「ぶっ……」

笑いそうになるのを必死にこらえる。何を言いだすんだこいつは、聞こえてなさそうだからいいものを。


「ワイはキバオウっちゅうもんや!攻略会議を始める前に、この中に詫び入れなあかんやつらがおるはずやで!」

詫びを入れるーーその言葉だけでキリトにはそれがβテスターだと予想できた。
自分も含めたβテスターはこのゲームを有利に進められる知恵を持っている。そんなことからβテスターは様々な人から嫌われている。
ディアベルはキバオウを見据え、ゆっくりと口を開いた。

「その詫びを入れなければならないというのはβテスターのことかな」

「せや!奴らには金と装備を置いていってもらうんや!そうでもせえへんと一緒に戦うなんてできへんわ!」


それはつまり、自分たちを装備で強化してβテスターは死ねということか?
……ふざけてる。

不意に隣のレイがトントンと俺の腕を突く、その顔は中央のキバオウを見据えているが、俺にだけ聞こえる声で呟いた。

「大丈夫、君みたいに優しいβテスターがいるってちゃんと知ってる人だっているよ」

「っ?? あぁ、さんきゅ」

その場は沈黙に包まれていたが……

「発言いいか?」

肌が黒く高身長で筋肉質の男が立ち上がった。
ディアベルは男に無言
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