7部分:第七章
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第七章
だがそのギャング達の姿が消えていく。まるで煙の様にだ。
そして一匹の蛇の様な不気味な黒い生き物が出てだ。そうしてだ。
それが何処かに逃げていく。ここでまた携帯から老婆の声が聞こえてきた。
「逃げたな」
「じゃああれがマニトーか」
「あの化け物がか」
「そうじゃ、見えているな」
また老婆に問うた。
「黒い蛇に似た化け物がおるな」
「ああ、その通りだ」
「今逃げていくぜ」
「追ってくれ」
そうしてくれというのだった。
「今からじゃ」
「これで第二ラウンドってわけか」
「そういうことだな」
二人はここでもかなり冷静だった。そしてだ。
「それで追ってそこでだな」
「決戦ってわけだな」
「うむ、そうじゃ」
老婆はまた話してきた。
「それでは頼んだぞ」
「ああ。しかし俺達の怖いもので襲い掛かってくるとはな」
「随分手の込んだ奴だよ」
二人はにこりともせず話した。
「それじゃあ行くか」
「それならな」
こうしてその怪しげな影を追っていく。影の動きは案外鈍くそのうえで廃棄された倉庫の一つに入った。今にも崩れ落ちそうな、シャッターも錆びているそんな倉庫だった。
影はそこに入ろうとする。二人はそれを追おうとする。しかしだ。
そのまま中に入った。シャッターは二人で蹴り飛ばした。
そのうえで中に入るとだった。そこはだ。
完全な廃墟であり中には廃棄された箱や錆びきったスパナや工場用品、そして割れたビンにコップ、そんなものが無造作に置かれていた。
そしてそれだけではなかった。二人の周りにだ。
それまで日も碌にささない暗鬱とした中だった。だがそこに白いものが出て来た。
白いフードと服を着ている。その服は牧師か神父のものを思わせる。色だけが逆だ。頭に被っているのは大きな三角のマスクだった。それが目だけを出している。目だけが不気味に爛々と輝いている。そうした者達が出て来たのである。
二人はその者達を見てだ。すぐにわかった。
「おいおい、今度はそれか」
「クランかよ」
「何が出て来たのじゃ?」
ここで老婆が携帯から問うてきた。
「今度は」
「クランだよ」
「それさ」
二人はやや無造作にこう返した。
「それが出て来たんだよ」
「わかるな」
「クランといえばじゃ」
老婆はそれを聞いてだった。それが何かすぐにわかったのだった。
話をさらに聞いてだ。その名前も言った。
「クー=クラックス=クランじゃな」
「ああ、例のな」
「その連中さ」
二人はわざと威勢よく笑って言ってみせた。
「あの連中が出て来たんだよ、今度はな」
「俺達の天敵だってことか」
「少なくとも意識はしておるな」
老婆は二人の刑事にこう問うた。
「そうじゃな」
「
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