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秋葉原総合警備
都外のアニメフェス No.4
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 頷けば、身長はさほど変わらない千夏をおぶって、会場外へと目指した。激しい咳からか、千夏も振り払う気力が無かった。無論、信用などしていないだろう。さらに、容赦なく報酬に飢えた警備員3人が現れる。


 有り難いことに、ライブの後片付けまで手伝っている美咲の父、並びにヤクザ集団。フェスで事件があったのは、ここにも伝わった。
「親父っさん!…見てください!」
「……なんじゃこりゃ!おう、急いで行くぞ!美咲が危ねぇ!」
「また美咲の娘さんから殴られますよ…?」
「テロリストだったらどうすんだ!行くぞ!」


 高みの見物で、会場の様子を伺う男。フェスを混乱させている罪悪感など微塵も無く、ただ苛立つ様子。
「たった警備員二人ぐらい、ボコボコにすりゃいいんだ…役立たずが。」
 片手の爪を噛みながら、もう片手で文字を入力し、送信する。
『犯人役はもういい、警備員役全員で千夏追え』


「なんで…こんなクズ助けるの…。」
「あたしも同じ女子だよ。汚いことされるのは、諦めついてても嫌だもん。」
 重い様子一つせずに軽快に会場出口を目指す。迷いそうな分かれた通路も勘で進んでいく。
「あたし、ちょっと見てる。面白いなって思うよ。」
「今…どこまで進んでるか、見てないんだよね…。」
「えっとね、シンヤが仲間からも離されて、やけになって敵突っ込んでいくけど、ただ一人ミナがシンヤについて来た所。」
「次…どうなるか知ってるよ。」
 千夏の声が、揺れながらではあるが、落ち着きを取り戻した。美咲も余裕で走り続けている。千夏から声優が変わったアニメの話が弾む。
「ほんとに?!…教えて教えて。」
「…実はね…。」


「よぉし、準備いいか。秀人。」
「おっさん共ぐらい、どうってことないっす。」
 狭い通路に2対20の張り詰めた場面が置かれていた。勿論、相手は今回真っ当に警備をするはずだった警備員達。金が目的か、千夏の体が目的か。いずれにしても欲に操られた者達だった。
「容赦しねぇぞ!クズ警備!!」
 陽一の突き刺す蹴りで先頭を倒してから、開戦した。相手は多少の体力しかない中年の集団。しかし、部が悪い。余裕とはいかない所、豪快に次を殴りつける。負けじと秀人も仕掛けた。
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