おまけ6話『変化する瞬間』
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、じゃあダメで。
今じゃなきゃダメで。
なんで、強くなることを遠巻きにしていたんだろう。
ココヤシ村を救うことが出来た。
村のみんなを助けることが出来た。
ナミと一緒にいることが出来た。
大切な友達も、仲間も、いっぱい出来た。
それなのに。
俺は、甘えてた。
憧れていた。
師匠は強い。
エースも強い。
ルフィも、ゾロも、サンジも……白ヒゲさんも、マルコさんも、ジョズさんも、ルフィのじいちゃんも、3大将も……みんな、みんな強い。
それに、憧れていた。
……だからきっと。
そうだ。
俺は強くなると言って、クロコダイルに負けて、死ぬほど悔しい思いをして、またエネルにも負けていた。それなのに、クロコダイルの時よりも頑張れたって……そんな風に自分に言い訳をして。そんな俺が強くなるなんて、馬鹿げていた。
これは結局、そんな馬鹿な俺が招いた結果。
あぁ、俺はなんて弱いんだろか。
いろんな経験をした。
新しい技を覚えた。
少しずつ、自分が成長していることもわずかにだけど感じていた。
俺はきっと強くなった……そのなのに、なんで俺はこんなに弱いんだろう。
なんで、こんなにも勝てないんだろうか。
「……」
声が出ない。
「……」
世界が暗い。
体の感覚がない。
どんどんと闇が濃くなってくる。
思考もまとまらなくなってきた。
「……」
また、俺は何もできなかった……らしい。
――け!
ふと、声が聞こえた……気がした。
――聞け!
いや、違うこれは声じゃない。
じゃあ何だろうか。
考えなくても、なぜか理解できた。
そうだ、これは声じゃない。耳から入ってきている音なんかじゃない。俺はこの声を聞いているんじゃない、感じているんだ。
それを思った時だった。
どうしてだろう。
『私が保証する。あんたは強い。絶対に強い!』
ナミの言葉を思い出した。
仲間たちと別れることが決まったその日、ナミとも別れることが決まってしまったその日に、ナミに言われたセリフだ。
なんでこんなセリフを今になって思い出したんだろうか、少なくとも今、ちょうど俺が弱いってことを実感しているときに思い出していい言葉じゃない。なのに、なんでだろう。
――聞けよ! 声を!
また、声を感じた。
さっきまでの声よりもどこか強く感じた。
誰の声だろう。
まるで俺をいつも見守っているかのように強くてどこかやさしい、そんな声。
「……」
声を感じて……どうしてだろう。
ナミの言葉を思い出した理由が分かった気がする。
今
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