おまけ5話『助けるっ!』
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受けて吹き飛ばされた。
そんじょそこらの海賊ならそれだけで戦闘不能なるであろう威力の一撃だ。
「……っ……ま、だまだぁっ!」
そのまま凄まじい速度で吹き飛ばされていくかと思われたハントだが、そこから強引に態勢を立て直した。腕で地面をつかむように滑らせて、どうにか数mほど吹き飛ばされるだけに留まることに成功し、また3人の隙間を抜けようと足を踏み出して――
「が……はっ!?」
――燃えるように、だが冷たい痛みがハントのわき腹を貫いた。
「さすがに1対3じゃどうにもならねぇだろ」
青キジの凍てつくような言葉が氷の刃をもってしてハントの腹部へと突き刺さり、痛みから顔をしかめて足を止めてしまった彼に、3大将の最後の1人が真正面に姿を現していた。
「安心せい、すぐにモンキー・D・ルフィ、ポードガス・D・エースも一緒に冥土に送ってやるわい」
「ああっ!?」
マグマの拳が、慌てて防御に回ったハントの腕ごと腹をぶち抜き、そのままハントを殴り飛ばした。
「ハントっ!?」
檀上から見守っていたエース、イワンコフとともに前へ進んでいたルフィとジンベエ。
彼らの声が戦場にこだまする。
一見して軽微なダメージではないことが見て取れる殴られ方をしたハントは、下手をすればこれでリタイアになるかもしれない。3大将に一瞬とはいえ一人で挑むことそのものがそもそも無謀過ぎる。
彼らの攻撃は一々が重く、速い。
大半の、ハントはこれでリタイアだという予想に、だがハント本人からすればそんな予想は何の意味もない。3大将の攻撃を受けて、意識を失いかけていたハントの脳裏に浮かんだ言葉はただ一つ。
『すぐにモンキー・D・ルフィ、ポードガス・D・エースも一緒に冥土に送ってやるわい』
赤犬の、この言葉。
――させ……て、たまるか。
一瞬だが、確かに白目をむいていたはずの彼の目にいつの間にか意識が宿る。地面と平行に、止まることを知らない勢いで吹き飛ばされようとしていたはずの己の体を、強引に己の意識下に引き戻して、ハントは足を地面に叩き付けて態勢を立て直した。
「エースもルフィも……俺が死なせないっ!」
叫び、赤犬を睨み付けたハントは、赤犬の横にいる黄猿と青キジには目もくれずに赤い犬の許へと走り始める。
まるで自暴自棄の神風特攻にしか見えないその行動に呆れのため息をついたのは黄猿と青キジ。
「やれやれだね〜」
「おいおい、ここは戦場だぞ」
二人がハントを挟み込む形で各々の一撃を加えようと動きだす。今のハントにはそもそも赤犬しか映っておらず、だからこそハントを沈めるのは簡単だという見込みでの行動だったのだが、青キジがつい今しがた言った通りここは戦場
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