おまけ5話『助けるっ!』
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にも見えて、ジンベエは微かに笑顔になり、頷く。
「……うむ、だったらやってみろ、ハント! ルフィ君とともに、どこまでいけるか!」
「はい!」
ただ、前だけを見つめて頷くハントはだからこそ、もう後ろにいる面々には目を向けない。
クロコダイルが白ヒゲを襲い掛かったことにも、それをルフィが防ぎ、白ヒゲとまるで対等にいるかのように会話をする様子にすら、耳を傾けることは無い。
――ふー……違和感なんて関係ない。エースは死なせない……俺が考えるのはそれだけで十分だ。
一度目を閉じて、再度目を開く。
彼の目に映るのは、ただエース。それだけ。
だから、だろうか。それは偶然に、いや、きっと必然に。
「エース! 今行くぞ! だあああああ!」
「おっしゃああああああ!」
ルフィとハントの雄たけびが、ところは違えど同時に響いた。
「お前を捕まえねぇと天竜人がうるさくてね〜、麦わらのルフィ」
まずは黄猿。ピカピカの実の光人間。
大規模な光速のビームをルフィへと放とうと、足に光をためて、だがそこに割って入る一陣の影。
「俺が相手だ!」
光が放たれる寸前に、黄猿への懐へと潜り込んでいたハントの蹴りが黄猿の蹴りの軌道を変えていた。大規模なビームが空へと舞い、雲を霧散させていく。
「お〜、ジンベエの弟子か〜。まったく、面倒だね〜」
「思ってないだろ、その口調はっ!」
「助かった、ハント! 先行くぞ! そいつ大将だ! 気を付けろよ!」
「っ大将かよ! いい! 行ってくれ! 俺を気にしてエースを助けられなかったとかあったら怒るぞ!」
「おお!」
そのまま黄猿の横を通り抜けていくルフィを尻目に、ハントと黄猿の戦闘が始まった。
「戦闘中に無駄口とは余裕だね〜」
「集中はしてるっての!」
拳が振り上げられるとまさにほぼ同時。雷とは比較にならないほどの刹那の間に己の顔面へと振るわれた拳を、ハントはどうにか腕を差し込んでブロックするも「おもっ!?」という言葉とともにそのまま弾き飛ばされた。
ほとんど地面と平行に、高速に吹き飛ばされていく中で、そこから慌てて一回転。どうにか態勢を立て直して着地に成功した。
ただし、ホッと息をつく間もない。
気づけば、ハントの頭上。足を振りあげている黄猿がそこに。
「っ!」
黄猿の態勢、足の位置、視線。それらを視界に焼き付けたハントはほとんど反射的に位置を読み、拳を振り上げる。
黄猿の足とハントの拳がぶつかり合い、黄猿は空中へと飛ばされてハントはまたも地面を滑るようにして吹き飛ばされる。これがたった二人の決闘だったならばおそらくまた黄猿の追撃がハントへと降りかかっていただろうが、生憎とここは戦場。
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