おまけ4話『いざ戦争』
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ちと、マゼランに敗北したはずのイワンコフとその部下イナズマもが合流を果たし、脱出できるかどうかも遂に瀬戸際。後ろから迫りくるマゼランの脅威は既に彼らの真後ろにまで迫ってきている。
「麦わら、海坊主からだ!」
手渡された小電伝虫へとルフィは慌てて耳を傾ける。
『ルフィ、来たか!?』
「来た! まだあいつに追われてんだ! もうすぐ出口で止まっちまうよ!」
『悪い! 艦は奪えたけど、そっちに行くにはもうちょい時間かかる!」
「ええーー!」
ルフィの驚きの声に、ハントは子電伝虫越しにも伝わるほどに楽しそうな声で返す。
『けど、大丈夫だ! そのまま海に飛び出せ! 全員を海に突き落としてもいい! あとは師匠がなんとかしてくれる! 絶対大丈夫だからな! 頼んだ!」
そのまま子電伝虫の接続が切れたことを確認して、ルフィは「言う通りにするぞ、3! もっかい力貸せ!」とMR.3へと言いながら再びマゼランへと体を向ける。
「正気カネ!? 海へ飛んだら死ぬに決まっとろうガネ!」
制止する彼らの声を振りり、ルフィは今しがた合流したイワンコフの力を借りて、脱出を図っていた一同と共に海へと飛び降りた。
――そして、彼らはジンベエザメの背中に乗って見事にインペルダウンを脱出する。
途中、彼らにとって最大の防壁になるであろう正義の門も、ボンクレーの捨て身の活躍により、開かれて。
途中、ルフィたちの目的がエースを救うために海軍本部へと向かっているということをバギーたち脱出組が知り、一悶着起きかけたものの、結局はバギーがまとめあげて事なきを得て。
彼らは行く。
海軍本部へと。
――処刑開始まで残り3時間。
「バギー! バギー! バギー! バギー!」
甲板の方から聞こえてくる歓声を背に、ハントは一人で船尾へと位置取っていた。通過した正義の門は既に閉じられており、追いかけてくる軍艦は既にない。
一人で海を見つめながらそっと船の縁に手をかける。
時折跳ねる小さな水しぶきが頬にかかり、どこか気持ちよさそうに目を細めたハントは自分の手を握りしめる。
「っ」
彼の心に浮かんでいるのは、Mr.2ボンクレー。自分の身を犠牲にしてまで助けてくれた、元は敵だった友人を思い浮かべて、また視線を海へと落とす。
――気づけなかった。
ルフィやハントがただ前を走ることばかりを気にしている時、ボンクレーが彼らの犠牲になってまで道を開こうとしてくれていた。それに、ハントは気付けなかった。
「くそ」
悔しげにハントは呟き、歯を食いしばる。
「……ちょっとは強くなった、はずなのに」
ココヤシ村の
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