おまけ4話『いざ戦争』
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てた悔しさが浮かんで、自分の無力さを思い出す。とはいえ今の俺には魚人空手陸式があるんだから、あまりそんなところで凹んでいても仕方がない。今は目の前のことに集中しよう。
師匠によって放たれた、海中からせり上がってきた一本の巨大なウネリ。このうねりに乗っていれば俺も軍艦の甲板にまで打ち上げてもらえるんだろうけど、一隻の軍艦を奪うだけなら多分クロコダイルがいれば十分。俺がやることは海から他の軍艦を沈めるということだ。
よって、甲板まで打ち上げられないようにうねりを慌てて避ける。
「うぎゃあああああ!」
俺が避けた途端に聞こえてきたバギーの叫び声、それと共に巨大で重い扉が一気に打ちあがっていく。
「何だ、あの水柱! まるで生き物みたいに!」
「あれは何でしょう!?」
「わからん! ……だが、人が乗ってるぞ! クロコダイルだ!」
海軍連中の戸惑っているような声も、クロコダイルたちがいるということに気づいたその声も、既にもう遅い。
「成程、着いた」
「来たぁーーー!」
水柱に乗ったクロコダイルたちが甲板へと到着した。
「艦を奪いに来たんだ! 絶対に渡すな!」
「能力者は海に落とせばこっちのもんだ!」
上から聞こえてくる喧噪は、もうクロコダイルに任せる。
あとは、俺のやるべきことをやろう。
「あの艦が奪われるのも時間の問題、海軍にとっての大失態だ! 今すぐ沈めろ!」
「はっ! 砲撃用意!」
別の艦の砲口がクロコダイルたちの乗る艦へと向けられる。
それを阻止しようとして、その前に師匠からの水柱がその艦へと落ちた。艦を攻撃するというよりも艦の火薬を濡らすことが目的だったらしく、砲口を向けようとしていた艦からは「しまった! 火薬が濡れた!」という声が聞こえてくる。
さすが師匠だ。
なら、俺は他の艦を沈める。
魚人空手の海の宝刀(マリン・スパーダ)で真っ二つにするか、それとも魚人空手陸式の海竜で風穴を開けてやろうか。少しだけ考えて、いやけど悩むまでもない。まだ肌に感じる空気の違和感は消えていない。だったら陸式よりも純粋な魚人空手にしておいた方がいい気がする。
それに海の宝刀でクロコダイルがどんな反応を見せるのか、少しだけ気になるし。
「一気に、いくぞ」
誰にでもなく、自分に呟いてまずは海面に拳を叩き付けようとして、けどそこで師匠からのストップがかかった。
「む、待てハント!」
「……え?」
多分、他の誰に言われてもそんな急に言われても拳は止まらないんだけど、師匠に言われたらやっぱり体が反射的に反応してしまう。慌てて動きを止めた……あ、師匠以外にもナミにストップって言われたら反射的に止まってしまうかもし
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