第二百五話 支城攻略その十二
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その中でだ、信長は幸村と兼続にあることを尋ねた。そのことはというと。
「北条は武田、上杉と手を結んでおったな」
「はい、それぞれ」
「手を結んでおりました」
その通りだとだ、二人も答える。
「そのことはです」
「確かです」
「東国の三つの家がです」
「同盟を結んでいた形になります」
「北条が武田、上杉と手を結んだことはわかる」
このことはと言う信長だった。
「確かに武田も上杉も北条とは刃を交えたことがあるがな」
「はい、それでもです」
「北条とは武田上杉程激しい戦ではなかったですし」
「まだ何とかです」
「手を結べました」
北条と武田、北条と上杉はというのだ。
「しかし武田と上杉は」
「殿もそのことを仰るのですな」
「うむ、確か公方様の密書があったにしてもな」
義昭が文を送らせていただのだ、それでだったのだ。
彼等にだ、それぞれ手を結ばせて信長にあたらせたのだ。言うならば今の戦は義昭の置き土産という一面もあるのだ。
「よく武田と上杉が手を結べたものじゃ」
「ですから実際はです」
「我等は手を結んでいませんでした」
「ほぼ別々にです」
「我等は織田家と戦をしていました」
そうだったのだ、実際は。
「実は北条ともです」
「手を結んでいましたが」
「盟友であるとは」
「あまり」
「左様か、まあそうであろうな」
信長も二人の話を聞いて頷いた。
「武田と上杉ではな」
「しかしそれでいてです」
「実はです」
ここで二人が言ったことはというと。
「信玄様は謙信殿のことが」
「謙信様もです」
その二人はというのだ。
「謙信殿のことは本音ではお嫌いではありません」
「信玄殿のことを奸臣だと仰っていましたが」
「認めておられていてです」
「天下の柱、片腕にしたいと言われていました」
「それは殿もです」
「殿も天下の柱とお考えでした」
信長もだというのだ。
「殿と謙信殿を両腕にしたいと」
「殿と信玄殿をです」
「ははは、わしと同じ考えだったのじゃな」
信長は二人の話を聞いて笑って言った。
「わしも二人を天下の柱、わしの両腕と考えておった」
「殿もですか」
「そうだったのですか」
「そしてそれはじゃ」
それはというのだった。
「わしが叶えたな」
「お二人はもう争いません」
「公を守られます」
「それで、です」
「天下の柱となられます」
間違いなく、というのだ。
「信玄様ならば」
「謙信様ならです」
「そうじゃな、それに毛利元就、北条氏康もな」
彼もだというのだ。
「あの者もじゃ」
「天下の柱になる」
「そうなりますか」
「だからこそ降したいのじゃ」
そして己の家臣としたいというのだ。
「是非な」
「では」
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