おまけ2話『師弟』
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られて、あんたの強さに憧れて、故郷を救いたいと思ってあんたに弟子入りをして、そして俺はあんたみたいな強さが欲しいと思った。師匠がいなきゃ今の俺はいないんだよ! なんで、迷惑かけたとか償いだとか……そんなことばっかり考えるんだよ!」
目じりに浮かぶ涙。
今にも泣きだしそうな震えた声。
必死なハントの願いが、ジンベエの視線をさまよわせる。
「俺に申し訳ないなんて思うなよ! 俺の自由とエースの命ならどう叶えてもエースの命の方が重いだろうが! エースは師匠の恩人である白ヒゲさんの息子で、俺の一番の友達で……そんなエースの命を見捨てるような真似を……白ヒゲさんを裏切るような真似を……俺のせいでそんな……師匠にとって死ぬよりも辛い選択をするなんてことはやめてくれよ!」
「じゃ、じゃがワシはお前さんだけでなくお前さんの故郷の者たちまで」
「……確かに俺が魚人である師匠に何も思わないのは俺が師匠に世話になってきたから、かもしれない。なら……けど!」
ハントにとってジンベエという存在には師匠というフィルターがかかっている。ずっとハントは彼に師事してきたのだから当然だろう。最初、アーロンを放ったのがジンベエだと聞いた時も、ジンベエへの信頼はほぼ揺らぐことは無かった。
だから、ハントがジンベエに対して何らかの嫌悪感を覚えないこととハントの故郷の人間たちがジンベエに対して嫌悪感を覚えないことは決してイコールではない。
「俺の母さんも姉妹も、俺を強くしてくれたアンタに会ってみたいって言ってくれた。一番魚人に苦しめられた俺の好きな人も、そう言ってくれた! 故郷のみんながどれだけ辛い生活を送ってきたかっていうのは俺も話で聞いたから簡単に許してもらえるなんて思ってないし、思わない!」
ハントの故郷の皆は魚人に苦しめられた。その元凶も、確かにジンベエだと思っていし、実際そうかもしれない。故郷の人々にとって魚人は消せないトラウマだ。彼らほど魚人のことを憎んでいる人間はめったにいないだろう。それほどの苦痛を彼らは……ナミは受けたのだから。
「だからっ!」
ジンベエという人を知っている。
故郷のみんなという人を知っている。
そんなハントだからこそ震える声を振り切って、声を張り上げる。
「だから俺も師匠と一緒に故郷のみんなに謝る! 許してもらえるまで一緒に謝るから! アーロンを開放したことが師匠にとっての罪なら、故郷を救うのに8年もかかったのは師匠に本当のことを全部を言えなかった俺の罪だ! それを許す許さないは俺が決めるんじゃない、故郷のみんなが決めるんだ!」
けれど、だからこそハントは言うのだ。
それはジンベエだけが悪いとかいうレベルの問題ではない。
王下七武海にジンベエが加入して、アーロン
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