おまけ2話『師弟』
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るハントへと、ジンベエはまた頭を下げる。
「元々、ワシとアーロンは同じ海賊におった。お前さんの故郷を襲ったアーロンは……ワシの弟分じゃ。アーロンがナニか起こせばすぐにでも飛んでいくつもりじゃったが、アーロンが海軍を買収して『海軍本部』へと手が届かんようにしておって、気付けんかった」
「へー」
ハントの気の抜けたような、ただ一応本人的には真剣らしく真顔で頷き、そこから何かに気づたようで「あ」と呟いたかと思えば、どこか嬉しそうに首を傾げた。
「……じゃあ師匠はアーロンに俺の故郷を襲わせるためにアーロンを放ったわけじゃないってことですよね」
「当たり前じゃ! じゃが……スマンかった! お前さんが倒したいという男がアーロンだったことも気づかずに8年も! ……謝っても謝りきれるもんでもないが……本当にスマン!」
――よかった。
ジンベエは、やはりハントのよく知るジンベエだった。人間の島をアーロンに襲わせるようなそんな真似はしない人物だった。ジンベエの話を聞いて、それを再確認できたハントは心の底から安堵の息を漏らした……のだが、さらに続く次の言葉に、ハントのその耳を疑った。
「だから……せめてもの償いをワシにさせてくれ。これで償われるとは思ってはおらんが、それでもこうでもせんと気が……収まらん」
ジンベエが今にも泣き出しそうな、それでいて今にも暴れまわりそうな、そんな悲しみと怒りを同居させた、ハントには複雑すぎて理解の出来ない表情をもってマゼランに言う。
「ワシは行く」
「えっと……行くってどこに?」
言葉を挟む。だがこの場でジンベエのそれを理解できていないのはハントのみらしく、周囲の人間はジンベエの短い言葉だけで着々と準備を進めていく。
「なぁ、どこに?」
マゼランもジンベエも答えてくれそうになく、ならばとハントはエースに疑問をぶつけてみる。そんな、どこまでも呑気とすらも思えるようなハントの態度がエースの笑みを誘い「あのなぁ」と困ったような顔を浮かべた。
「エースさんの処刑に協力するという意味じゃ」
答えたのはそんな二人のやりとりを見ていたジンベエ。
「ああ、そうですか……なるほど」
答えをもらえて、納得。何度も頷いて、それから沈黙したかと思えば今度はいきなり大声をあげる。
「――は〜〜〜〜〜〜〜っ!? いやいやいや、意味がわからないから、それ! なんで今の会話の流れでそうなった!? 明らかに処刑に反対するっていう流れだったじゃないですか!? 痴呆!? 師匠はその年齢でもう痴呆ですか!? それとも単なるバカですか!」
今にもつかみかからんばかりの勢いでジンベエと怒鳴るように言うハントへと、そっと横から言葉が入った。
「バカはてめぇだよ、ハ
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