おまけ2話『師弟』
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いうつもりでいたのか、それをハントは聞けていないのだからそれに関してはまだハントにとって息を呑むほどの驚くべきそれではない。
だから驚いたのはその事実に対してだけではなく、その事実を何故今マゼランが言うのか、ということだ。
――……なんでだ?
考えるも、ハントにはやはりわからず、どうせ拘束されている身ではそれを止めることもできないため、首を傾げるだけで特にアクションを起こすこともないのだが、ジンベエは違っていた。
「それは本当か、ハント!? 本当にお前さんの故郷を襲ったのは……アーロンかっ!?」
「えっと……その……はい」
ジンベエという魚人の師匠に教わったにも関わらず、師匠と同じ種族である魚人を倒すために修行をしていた。しかも、その事実をずっと師匠に言わずにいた。だからこそそれに関しては罪悪感があり、謝らなければいけないと考えていたため、言いづらそうにハントは頷いてみせる。
とりあえず聞きたいことと謝らなければならないことがあり、マゴマゴと口を開こうとするハントがどうにか話し出すその前に、ジンベエが顔面を蒼白にしてどこか片言で声を出す。
「で、では……お前、さん……が倒した……のは?」
「……アーロンです……その、本当に――」
「――じゃ、じゃが……それは……」
ぐっと言葉につまったジンベエが、それを認めたくなさそうに頭を振る。だが、ハントが自分に嘘をつくわけがないということも、ジンベエはわかっている。ハントが慌てて謝罪をしようと頭を下げる前に、またジンベエが声を発してハントの謝罪の機会は失われる。
――し、師匠?
謝るどころか心配になってしまうほどに、ジンベエの顔色は蒼白でまるで幽霊であるかのような現実味のない顔をしており、怒っているよりも衝撃を受けているという様子だ。
「む、麦わらのルフィ、という男……が……お前さんの仲間のその男が……アーロンを、と……聞いておったが」
「あ、えっと……それは、その時はまだ俺が海賊じゃなかったことと、アーロンとつながってた海軍をルフィたちがブッ飛ばしてくれたから、その海軍に恨みを買っちゃったせい、かと」
恐縮しながらのハントの言葉に、だがジンベエは「なん……と」と言葉を漏らしたかと思えば、即座にハントへと頭を下げた。それにより「え? し、師匠?」と驚くハントを尻目に、ジンベエは一度頭をあげて、今度はエースへと頭を下げて言う。
「すまん、エースさん!」
「えっと、師匠?」
いきなりなぜエースに謝るのかがわからずに戸惑うハントとは対照的にエースはそれが何かをもう理解しているらしく「いや、気にすんな。それ以上に大きな理由はねぇだろ」となぜか小さな笑顔のままで言う。
「? ……?」
先ほどからただ首を傾げ
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